社会における個人の心理・行動を研究する「社会心理学」。学校や企業などでも活用されており、社会心理学の知識を持っていると、日常生活でも役立ちます。
しかし社会心理学に関する本は、初心者向けの入門書から、勉強したい人向けの専門書までさまざまあります。そのため、選ぶときに迷ってしまう人もいるでしょう。
そこで今回は、社会心理学本のおすすめをまとめてみました。実際に全冊購入して、それぞれの特徴を解説しています。
社会心理学のおすすめ本を探すときには、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
社会心理学本のおすすめの選び方
イラストの多い入門書なら初心者でもわかりやすい
初心者におすすめの社会心理学本は、イラストが多めに描かれている入門書です。具体的にイメージできるので、内容を理解しやすいメリットがあります。
またイラストが多いと文字数は少なくなるので、読むのが苦手な人にも向いています。一気に全部読むとしても、だいたい1時間程度で読み終えるでしょう。
なかには漫画形式になっている本や、ページの半分以上が図解になっている本もありました。社会心理学の導入としてはぴったりだと思うので、ぜひ一度検討してみてください。
社会心理学を勉強するなら教科書やテキストがおすすめ
社会心理学をしっかり学びたい人には、教科書として使えるテキストが良いでしょう。内容が詳しくまとめられており、重要語句も目立つように書かれています。
また巻末には索引があり、逆引きできるのもメリットのひとつです。人物名や専門用語を調べたいときには、とても便利だと思います。
ただしその分、サイズが大きくなりがちなので、持ち運びには向いていません。またデータが古くなっている社会心理学本もあるので、最新のものを選ぶのがおすすめです。
人気名著やベストセラー本で社会心理学を学ぶこともできる
社会心理学は、日常生活のあらゆる場面で活用されています。そのためビジネス書や、マーケティングに関する本などでも、社会心理学の用語を学べるでしょう。
この場合、簡単な説明と実験内容が紹介されており、難しいことはあまり書かれていないと思います。実際に役立つものが多いので、仕事の参考になるかもしれません。
なかには人気名著や、ベストセラーになっている本もあります。Amazonで評価や口コミを確認できるので、気になる本や面白そうな本があればチェックしてみてください。
おすすめの社会心理学本を紹介!
眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学
監修 | 亀田 達也 |
出版社 | 日本文芸社 |
ページ数 | 128ページ |
大きさ | 縦:21cm 横:14.9cm 厚さ:1cm |
参考価格 | 935円 |
読書時間の目安 | 約1時間 |
- 社会のなかで見られる人々の言動を解説
- 社会心理学の研究も多く紹介されている
- 図解ページが多いので誰でも読みやすい
社会で見られる心理学をまとめた初心者向けの入門書
『眠れなくなるほど面白い社会心理学』は、集団や組織のなかで見られる人々の言動についてまとめた社会心理学本です。
この本は右ページで解説、左ページで図解という構成になっています。文字数も少なく、簡潔にまとめられているので、誰でも読みやすいでしょう。
観察学習・アイヒマン実験・スタンフォード監獄実験のような社会心理学の研究もあれば、渋谷のハロウィンの暴徒化・ネットで炎上する理由なども書かれています。
初心者にもおすすめできる社会心理学本なので、ぜひ一度チェックしてみてください。
社会心理学 補訂版
著者 | 池田 謙一 唐沢 穣 工藤 恵理子 村本 由紀子 |
出版社 | 有斐閣 |
ページ数 | 502ページ |
大きさ | 縦:21cm 横:14.9cm 厚さ:2.2cm |
参考価格 | 3,520円 |
読書時間の目安 | 約8時間 |
- 大学の教科書やテキストとしても使える
- 項目ごとに細かく分けて解説されている
- 文献案内として別の社会心理学本も紹介
大学で社会心理学を研究する人には欠かせない一冊
『社会心理学 補訂版』は、大学で社会心理学を学んでいる人におすすめの心理学本です。基本的な知識から、専門的な知見までまとめられています。
項目ごとの説明が丁寧で、図表も適度にあるので、内容を整理しやすいのが特徴です。また各章の最後に、文献案内としておすすめの社会心理学本が紹介されているのも良いと思いました。
ほかの心理学本と比較してもかなり分厚く、目次や索引ページも含めれば600ページを超えます。持ち運びには不便なので、自宅で辞書のように使うのが向いているでしょう。
まんがでわかる社会心理学
監修 | 北村英哉 |
作画 | 松岡リキ |
シナリオ・文 | 小日向淳 |
出版社 | カンゼン |
ページ数 | 208ページ |
大きさ | 縦:約19cm 横:約13cm 厚さ:約1.7cm |
参考価格 | 1,540円 |
読書時間の目安 | 約1時間 |
- 全部で10個のストーリーを紹介
- 章ごとにマンガ・解説ページがある
- 難しい言葉も使われていないので読みやすい
日常でも見られる社会心理学をマンガで解説
『まんがでわかる社会心理学』は、章ごとにマンガ・解説ページがある構成になっています。全部で10個のストーリーが紹介されている社会心理学本です。
読んでみると、SNSの炎上・避難勧告の無視など、日常でも見られるような内容が書かれていました。マンガの中でも用語が説明されているので、わかりやすいと思います。
解説ページの文字量はそこそこありますが、6ページ程度で読みづらさはないでしょう。難しい言葉も使われていないので、社会心理学の入門書としてもおすすめできます。
史上最強図解 よくわかる社会心理学
監修 | 小口孝司 |
出版社 | ナツメ社 |
ページ数 | 200ページ |
大きさ | 縦:21cm 横:14.9cm 厚さ:1.5cm |
参考価格 | 1,430円 |
読書時間の目安 | 約1.5時間 |
- 6つのパートに分けて幅広く解説
- ページの半分以上がイラストや図表
- 難しい漢字にはふりがなも付いている
読みやすいので学生にもおすすめできる社会心理学本
『史上最強図解 よくわかる社会心理学』は、立教大学の子口孝司教授が監修しています。6つのパートに分け、個人の心理から集団・社会現象まで幅広くまとめた社会心理学峰です。
イラストや図表がページの半分以上を占めているので、読みやすくてわかりやすいと思いました。本のボリュームもあるので、一冊あればさまざまな社会心理学を学べるでしょう。
また難しい漢字にはふりがなも付いているので、学生にもおすすめできる社会心理学本です。巻末には索引もあり、自分の気になる用語があれば簡単に調べられます。
社会心理学キーワード
編者 | 山岸 俊男 |
出版社 | 有斐閣 |
ページ数 | 252ページ |
大きさ | 縦:約19cm 横:約13cm 厚さ:約1.2cm |
参考価格 | 2,090円 |
読書時間の目安 | 約4時間 |
- 社会心理学の用語や実験をまとめた本
- テーマごとに見開きで解説されている
- 内容が専門的で教科書や辞書のようにも使える
持ち運びにも便利なサイズで使いやすい社会心理学本
『社会心理学キーワード』は、社会心理学の用語や実験がまとめられている本です。全部で100個のテーマに分かれています。
キーワードといっても、一問一答のような形式ではなく、テーマごとに見開きで解説されています。内容は専門的で、教科書や辞書のようにも使えるでしょう。
それぞれ最初には100文字程度の要約があり、図表も適度に掲載されています。巻末には「社会心理学の道具箱」として、重要語句を簡潔にまとめた用語集もありました。
文庫本程度の大きさで持ち運びやすく、一冊持っておくと便利な社会心理学本です。
影響力の武器
著者 | ロバート・B・チャルディーニ |
翻訳 | 社会行動研究会 |
出版社 | 誠信書房 |
ページ数 | 492ページ |
大きさ | 縦:19.8cm 横:13.6cm 厚さ:3.2cm |
参考価格 | 2,970円 |
読書時間の目安 | 約8時間 |
- ビジネスにも役立つ人気ベストセラー本
- さまざまな社会心理学の実験・事例を紹介
- 各章にまとめと設問があるので理解が深まる
社会の出来事を科学的に証明している人気名著
『影響力の武器』は、社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏が著者の本です。世界中で読まれている名著としても知られています。
見た目はビジネス書のようですが、返報性の原理やフット・イン・ザ・ドア・テクニックなどの用語を用いて、社会の出来事を科学的に解説していました。
また有名な社会心理学の実験や、日常生活で見られる事例も紹介されています。本は分厚く、ページ数もかなり多めですが、読む価値はあるでしょう。
各章にまとめと設問があるのも、特徴のひとつです。ただ読むだけで終わるのではなく、社会心理学の仕組みをしっかり理解できる本だと思います。
菊と刀
著者 | ルース・ベネディクト |
翻訳 | 長谷川 松治 |
出版社 | 講談社 |
ページ数 | 432ページ |
大きさ | 縦:14.8cm 横:10.8cm 厚さ:1.7cm |
参考価格 | 1,408円 |
読書時間の目安 | 約8時間 |
- 戦前、戦後の日本について分析した本
- 日本の文化や日本人の性格、気質を説明
- 他国との違いも鋭く洞察している
日本人の特徴や日本の文化を鋭く分析した一冊
『菊と刀』は、アメリカの文化人類学者であるルース・ベネディクトが執筆した本です。戦前・戦後の日本人の特徴や日本の文化について、詳しくまとめられています。
個人的には、日本の文化を「罪よりも恥を重視する」と洞察しているのが印象的でした。周りの評価を気にしてしまう特性は、現代の日本でも見られると思います。
また著者が、一度も来日したことがないことに驚きました。アメリカにいる日本人の話や、書物をもとに書いたそうですが、鋭く分析されていると思います。
戦時中の話がメインなので、内容が少し古かったり、解釈が違うと感じたりする部分もあるでしょう。また難易度が高く、文字数も多くて読みづらいかもしれません。
それでも社会心理学の本を読むと、この『菊と花』が紹介されているケースは結構あります。日本人のことを客観的に考えられるので、読んでおいて損はない一冊です。
社会心理学のおすすめ本まとめ
今回は社会心理学のおすすめ本を紹介しました。
社会心理学本は学校や企業をはじめ、社会のあらゆる場面で活用されています。そのため内容を理解しておけば、日常生活でも役立つでしょう。
ただし社会心理学本には、初心者向けの入門書から研究者向けの専門書まで、さまざまな種類があります。そのため、自分に合った本を選ぶことが大切です。
社会心理学本を探すときには、ぜひここで紹介したおすすめを参考にしてみてください。