臨床心理学本のおすすめ8選!初心者向けの入門書や資格を目指す人向けの本も

臨床心理学本のおすすめ

心の問題の症状や、心理療法について研究をする「臨床心理学」。ストレスで体調を崩したり、うつ病になったりする人も増えていることから、あらゆる場面で活用されています。

しかし臨床心理学の本には、初心者向けの入門書から難しい専門書まで、さまざまな種類があります。なかには臨床心理士を目指して、本を探している人もいるでしょう。

そこで今回は、臨床心理学本のおすすめをまとめてみました。心理カウンセラーが全冊購入して、それぞれの特徴を解説しています。

臨床心理学のおすすめ本を探すときには、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

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臨床心理学本のおすすめの選び方

初心者にはイラストや図表のある入門書がおすすめ

臨床心理学の場合「症状や心理療法などの専門用語が多い」という特徴があります。またADHDやPTSDなど、英語もよく使われているので、難しいと感じるかもしれません。

そのため初心者には、イラストや図表でまとめられている入門書をおすすめします。具体的に理解しやすく、文字数も少なくなっているので読みやすいでしょう。

なかには見開きのページで、図解と解説が半々になっている臨床心理学本もありました。初心者向けにわかりやすく解説されているので、ぜひチェックしてみてください。

臨床心理学を勉強するなら教科書向けの本も

臨床心理学を学びたい人には、教科書向けのテキストが良いでしょう。内容が詳しくまとめられており、重要語句も目立つように書かれているので、しっかり勉強できます。

また巻末には索引があり、逆引きできるのもメリットのひとつです。人物名や専門用語を調べたいときには、とても便利だと思います。

ただしその分、サイズが大きくなりがちなので、持ち運びには向いていません。また掲載されている内容・データが古い臨床心理学本だと、役に立たないこともあります。

そのため初版がいつなのか、改訂版が出ているのか、事前に確認しておくと安心です。

著者が公認心理師・臨床心理士の本は参考になる

臨床心理学本を選ぶときには、著者情報を確認するのもおすすめです。大きく分けて、心理学者が書いている本と、公認心理師や臨床心理士が書いている本があります。

心理学者が著者の場合、基本的には専門用語を解説するような内容になっています。臨床心理学の歴史・人物なども学べるのが特徴です。

一方で公認心理師や臨床心理士が著者の場合、実際にその人が対応した事例や、臨床心理士としての働き方が紹介されていることもあります。

特に資格の取得を目指している人にとっては、参考になる内容でしょう。自分が公認心理師・臨床心理士になったときのことも、イメージしやすいと思います。

おすすめの臨床心理学本を紹介

臨床心理学入門 多様なアプローチを越境する

臨床心理学入門 多様なアプローチを越境する
監修岩壁 茂
福島 哲夫
伊藤 絵美
出版社有斐閣
ページ数308ページ
大きさ縦:19cm
横:13.2cm
厚さ:1.4cm
参考価格2,090円
読書時間の目安約4時間
本のおすすめポイント
  • 臨床心理学の歴史がわかりやすい
  • 異なるアプローチの考え方を比較
  • 持ち運びにも便利なサイズ

3つのアプローチの考え方を比較できる臨床心理学本

『臨床心理学入門 多様なアプローチを越境する』は、臨床心理学をはじめて学ぶ大学生向けのテキストです。臨床心理学がどのように発展してきたのか、丁寧にまとめられています。

また後半では、1つの事例に対して、精神力動アプローチ・ヒューマニスティックアプローチ・認知行動アプローチの考え方を比較しています。アセスメントや介入技法の違いが書かれているので、参考になるでしょう。

個人的には、各章の最後に、読書案内としておすすめの臨床心理学本が紹介されているのも良いと思いました。サイズも小さく、持ち運びに便利な一冊です。

眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学

眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学
監修湯汲 英史
出版社日本文芸社
ページ数128ページ
大きさ縦:21cm
横:15cm
厚さ:0.9cm
参考価格990円
読書時間の目安約1.5時間
本のおすすめポイント
  • それぞれの症状についてわかりやすく解説
  • 図解やイラストが多くて初心者も読みやすい
  • コラムでは具体的な事例も紹介されている

症状のことを中心にまとめた初心者向けの臨床心理学本

『眠れなくなるほど面白い 図解 臨床心理学』は、公益社団法人発達協会の常任理事である、湯汲英史先生が監修しています。

読んでみるとADHDやうつ病など、症状のことが中心にまとめられていました。それぞれ図解付きで、わかりやすく解説されているので、初心者でも読みやすいと思います。

またコラムでは、具体的な事例も紹介されていました。臨床心理学における有名な人物や、心理療法の解説などはありませんが、症状のことを知りたい人にはおすすめの臨床心理学本です。

面白いほどよくわかる!臨床心理学

面白いほどよくわかる!臨床心理学
著者下山 晴彦
出版社西東社
ページ数303ページ
大きさ縦:約18cm
横:約13cm
厚さ:約2cm
参考価格1,540円
読書時間の目安約4時間
本のおすすめポイント
  • 専門用語を丁寧に解説した臨床心理学本
  • 各テーマごとに図解があるのでわかりやすい
  • 臨床心理学の基礎知識を学びたい人向け

専門用語がイラスト付きでわかりやすい臨床心理学本

『面白いほどよくわかる!臨床心理学』は、心理療法やアセスメント・介入の進め方などを解説した臨床心理学本です。東京大学大学院の下山晴彦教授が監修しています。

すべてのテーマで、左ページが図解になっているのでわかりやすいと思いました。事例の紹介はほとんどなく、専門用語の解説がメインで、巻末には索引もあります。

そのため、臨床心理学という学問を勉強したい人向けの本でしょう。公認心理師ができる前の内容で、少し古い情報もありますが、基礎知識を学ぶのに役立つ一冊です。

完全カラー図解 よくわかる臨床心理学

完全カラー図解 よくわかる臨床心理学
著者岩壁 茂
出版社ナツメ社
ページ数240ページ
大きさ縦:21cm
横:14.8cm
厚さ:1.6cm
参考価格1,760円
読書時間の目安約3時間
本のおすすめポイント
  • フルカラーでイラスト・図解も多い
  • 臨床心理学の内容を整理できる
  • 資格の取得を目指している人にもおすすめ

臨床心理学を学ぶ姿勢・実践するときの心構えが参考になる

『完全カラー図解 よくわかる臨床心理学』は、お茶の水女子大学教授の岩壁茂教授が監修しています。フルカラーで解説されている臨床心理学です。

各ページにイラストや図解はありますが、専門用語も多いので、初心者には難しいかもしれません。どちらかというと、臨床心理学の知識がある人が読むことで、内容を整理できる本だと思います。

また心理療法を実践する際の考え方・進め方なども書かれているので参考になります。公認心理師や臨床心理士を目指している人にも、おすすめできる一冊です。

徹底図解 臨床心理学

徹底図解 臨床心理学
著者青木 紀久代
出版社新星出版社
ページ数223ページ
大きさ縦:21.1cm
横:14.8cm
厚さ:1.4cm
参考価格1,650円
読書時間の目安約4時間
本のおすすめポイント
  • イラストや図解が多くてわかりやすい
  • 心理療法について詳しく解説されている
  • 初心者にもおすすめの臨床心理学本

心理療法がわかりやすいフルカラーの臨床心理学本

『カラー版徹底図解 臨床心理学』は、フルカラーでまとめられている臨床心理学本です。表紙のリアルなフロイトが印象的ですが、本の中では可愛らしいイラストが使われています。

右ページにイラストや図解、左ページで解説という形式で、わかりやすいと思いました。特に心理療法については、やり方も詳しく説明されており、事例も紹介されています。

掲載されているデータは少し古いと感じましたが、基本的な知識・用語を勉強する分には問題ないでしょう。内容も読みやすく、初心者にもおすすめできる臨床心理学本です。

臨床心理士の仕事図鑑

臨床心理士の仕事図鑑
編集植田健太
山蔦圭輔
出版社中央経済社
ページ数136ページ
大きさ縦:約21cm
横:約15cm
厚さ:約1cm
参考価格1,650円
読書時間の目安約1時間
本のおすすめポイント
  • 臨床心理士にインタビューした内容を掲載
  • 仕事内容や1日のスケジュールなどがわかる
  • 資格の取り方もわかりやすく解説されている

臨床心理士になりたい人は読んでおくと役立つ

『臨床心理士の仕事図鑑』には、臨床心理士10人に対してインタビューした内容が紹介されています。現場のリアルの声をまとめた臨床心理学本です。

同じ臨床心理士でも、職場によって仕事内容が異なることがわかるので、参考になると思います。1日のスケジュールや、やりがいを感じる瞬間なども書かれており、実際の働き方をイメージしやすいでしょう。

また指定大学院のことや、大学院入試におすすめの臨床心理学本など、資格の取り方もわかりやすく説明されています。専門用語の解説や、具体的な事例の紹介などはありませんが、臨床心理士を目指している人には、おすすめできる一冊です。

臨床心理学(ベーシック現代心理学)

臨床心理学(ベーシック現代心理学)
編著坂野 雄二
菅野 純
佐藤 正二
佐藤 容子
出版社有斐閣
ページ数302ページ
大きさ縦:約21cm
横:約15cm
厚さ:約1.5cm
参考価格3,080円
読書時間の目安約4時間
本のおすすめポイント
  • 臨床心理学の考え方やアセスメント方法を紹介
  • 具体的な事例もあってイメージしやすい
  • 発達段階ごとの特徴的な症状も解説

臨床心理学のテキストとしても使える一冊

『ベーシック現代心理学 臨床心理学』は、臨床心理学の考え方や、アセスメント方法などをまとめた本です。教育学や心理学を専門とした、4人の教授が執筆しています。

臨床面接の進め方では、具体的な事例も紹介されていました。治療経過だけでなく、症状の考察・治療方針の決め方などが書かれているのも特徴です。

また思春期・青年期・成人期など、発達段階ごとに見られる特徴的な症状について、説明されているのも印象的でした。

個人的には、フロイト心理学のリビドー理論や防衛規制もわかりやすく解説されているよう思います。内容が古いとも感じなかったので、臨床心理学のテキストとしても使えるでしょう。

はじめての臨床心理学

はじめての臨床心理学
編著森谷 寛之
竹松 志乃
出版社北樹出版
ページ数240ページ
大きさ縦:約22cm
横:約15.5cm
厚さ:約2cm
参考価格2,750円
読書時間の目安約4時間
本のおすすめポイント
  • 9人の専門家が執筆を担当している
  • さまざまな心理検査・心理療法も解説
  • 臨床心理士の仕事についても紹介

臨床心理学の基本的な知識を学べるのが特徴

『はじめての臨床心理学』は、大学生や一般の人を対象にした、臨床心理学の入門書です。全部で7章に分かれており、9人の専門家が執筆を担当しています。

臨床心理学の歴史をはじめ、さまざまな心理検査・心理療法について解説されているのが特徴です。事例も適度にあるので、内容をイメージしやすいと思います。

また個人的には、エリクソンの発達段階の説明がわかりやすいと思いました。最後の章には、臨床心理士の仕事についても簡単に紹介されています。

内容は少し古いと感じましたが、基本的な知識を学べる臨床心理学本です。

臨床心理学のおすすめ本まとめ

今回は臨床心理学のおすすめ本を紹介しました。

臨床心理学は、医療・福祉・教育・司法・産業など、あらゆる場面で活用されています。なかには臨床心理士になることを目指して、本を探している人もいるでしょう。

ただし臨床心理学本によって、初心者向けの入門書から難しい専門書まで、さまざまな種類があります。そのため、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。

臨床心理学本を探すときには、ぜひここで紹介したおすすめを参考にしてみてください。

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