自己評価維持モデルとは?心理学の意味・具体例をわかりやすく解説

自己評価維持モデルとは

自己評価維持モデルとは、「肯定的な自己評価を維持したい」と感じる過程を説明したものです。SEMモデル(self evaluation maintenace model)とも表記されます。

たとえば他者が自分よりも優れた結果を出した場合、素直に喜べるときもあれば、嫉妬するときもあるでしょう。自己評価維持モデルを理解すると、その違いや要因がわかります。

そこで今回は、自己評価維持モデルとは何かをわかりやすくまとめてみました。心理学の意味や、具体例についても簡単に紹介しています。

また自己評価維持モデルの比較過程・反映過程にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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自己評価維持モデルとは?心理学の意味をわかりやすく解説

そもそも自己評価維持モデルとは、社会的比較理論に含まれるもので、アメリカの社会心理学者であるエイブラハム・テッサーが提唱しました。

これは「肯定的な自己評価を維持したい」と感じる過程を説明しています。つまり自分が他者よりも劣っていると感じたときに、どのような反応をするのかをモデル化したものです。

【自己評価維持(SEM)モデルとは】
自分が他者よりも劣っていると感じたときに、どのような反応をするのかをモデル化したもの。「肯定的な自己評価を維持したい」と感じる過程を説明している。

自己評価維持モデルにおいて、自己評価のレベルを決定する要因は大きく3つあります。

自己関連性自分にとって重要であるか
心理的距離自分と他者が親しいか
例:友達である・年齢が近いなど
遂行他者よりも上手くできたか

これら3つの要因をもとに、自分の考え方や行動を変えることで、自己評価を維持しているというわけです。

自己評価維持モデルの「比較過程」と「反映過程」について

自分よりも他者の方が優れているとき、自己評価を調整するまでの過程として、「比較過程」と「反映過程」があります。どちらの過程をとるかは、自己関連性の程度によります。

自己関連性が高い場合にとる過程は、比較過程です。他者との心理的距離が近いとき、相手を脅威に感じて、自分自身が傷つくのを守ろうとします。

一方で自己関連性が低い場合にとる過程は、反映過程です。他者との心理的距離が近いとき、自分のことのように嬉しく感じて、相手の成功を誇りに思います。

ちなみに他者の栄光によって、自己評価が引き上げられる現象は「栄光浴効果」といいます。

自己評価維持モデルの具体例を簡単に説明

たとえば自分が人気ミュージシャンを目指しているとして、会社員の友人がビジネスで成功したら素直に喜ぶでしょう。これは自己関連性が低く、反応過程が生じたと考えられます。

しかしミュージシャンの友人もいて、その人が武道館でライブをしたら悔しい気持ちになると思います。これは同じ職業ということで自己関連性が高く、比較過程をとったためです。

その結果、ミュージシャンの友人に嫉妬したり、距離を置いたりするかもしれません。また自己評価を維持しようと、周りの環境のせいにする可能性もあります。

このように自己評価維持モデルの具体例は、日常生活においてもよく見られます。

自己評価維持モデルの意味・具体例まとめ

今回は心理学の自己評価維持モデルについて、わかりやすくまとめました。

自己評価維持モデルの意味とは、以下のとおりです。社会心理学者のテッサーが提唱したもので、SEMモデル(self evaluation maintenace model)とも表記されます。

【自己評価維持(SEM)モデルとは】
自分が他者よりも劣っていると感じたときに、どのような反応をするのかをモデル化したもの。「肯定的な自己評価を維持したい」と感じる過程を説明している。

自己評価維持モデルにおいて、自己評価のレベルを決定する要因は3つあります。それによって、比較過程か反映過程か変わってくるので、内容をチェックしておくと良いでしょう。

自己評価維持モデルの理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

自己評価維持モデルに関係する参考文献

自己評価維持モデルに及ぼす個人差要因の影響

・協同課題における貢献度と自己関与度が自己評価に及ぼす影響

・児童・生徒の学校活動に関わる諸要因について

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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