栄光浴効果とは?心理学の意味・現象の具体例をわかりやすく解説

栄光浴効果とは

栄光浴効果とは、「優れた他者との関係を示して、自己評価を高める現象」を意味します。

たとえば後輩が社内トップの成績を出して、上司が「あいつは俺の後輩なんだ」と周りに自慢するようなイメージです。日常例も多いので、意味を確認しておくと良いでしょう。

そこで今回は、栄光浴効果とは何かをわかりやすくまとめてみました。心理学の意味や、具体例についても簡単に紹介しています。

また栄光浴効果の心理学実験にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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栄光浴効果とは?心理学の意味・現象をわかりやすく解説

そもそも栄光浴は、「BIRGing(basking in reflected glory)」とも表記します。アメリカの社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニが考案した造語です。

これは「優れた他者との関係を示して、自己評価を高める現象」を意味します。相手の成功を自分のことのように思って、自尊感情を高めている姿を想像すると良いでしょう。

【栄光浴効果とは】
優れた他者との関係を示して、自己評価を高める現象のこと。

ちなみにBIRGingの反対で、「CORFing(cutting off reflected failure)」もあります。これは評価の低い他者と関係がないことを示して、自己評価を維持しようとする現象を意味します。

栄光浴効果の現象を証明した心理学実験

チャルディーニは栄光浴効果の現象を証明するために、フットボールチームのある大学で、以下のような実験を行います。

実験の内容は、大学生に電話をかけて、数週間前のチームの試合結果を尋ねるというものです。このとき、「私たち(we)」という単語を使った学生の割合を調査しました。

すると学生たちは、試合に勝った場合に「私たちが勝った」のような表現をよく使いました。これはチームとの結びつきを強調しており、栄光浴効果が生じていると考えられます。

一方で試合に負けた場合は、私たちという言葉は使われず、「彼らは負けた」などの表現を使いました。つまりフットボールチームと、一線を引くような表現をしたわけです。

栄光浴効果の具体例を簡単に説明

栄光浴効果の具体例は、日常においてもよく見られます。たとえばオリンピックの際には、自国の選手がメダルをとると、観戦しているだけでも誇らしい気分になるでしょう。

また「あの有名人と同じ地元出身だ」「母校が全国大会で優勝した」などの情報を、周りに自慢したくなってしまうのも、栄光浴効果が関係しているといえます。

しかし一方で、自分が劣っていると感じてしまい、自己評価が下がる可能性も考えられます。それを防ぐために、環境のせいにしたり、相手と距離を置いたりするかもしれません。

このような違いについては、自己評価維持モデルで説明されています。栄光浴の理解も深まるので、あわせてチェックしておくのがおすすめです。

栄光浴効果の意味・現象の具体例まとめ

今回は心理学の栄光浴効果について、わかりやすくまとめました。

栄光浴効果の意味とは、以下のとおりです。社会心理学者のチャルディーニが考案したもので、「BIRGing(basking in reflected glory)」とも表記します。

【栄光浴効果とは】
優れた他者との関係を示して、自己評価を高める現象のこと。

栄光浴効果で自尊感情を高めている現象は、日常生活においてもよく見られます。そのため具体例とあわせて、意味を確認しておくと良いでしょう。

栄光浴効果を学ぶときには、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

栄光浴効果に関係する参考書籍

影響力の武器

影響力の武器

『影響力の武器』は、チャルディーニが著者の本で、世界中で読まれている名著としても知られています。心理学用語を用いて、社会の出来事を科学的に解説しているのが特徴です。

栄光浴効果については「好意」の項目で書かれており、フットボールチームの実験例も紹介されていました。分厚い本ですが、ビジネスでも役に立つので読む価値はあると思います。

栄光浴効果に関係する参考文献

観戦者の心理的側面とプロスポーツチームの経営に関する研究

平均的な学業水準との比較による学業的自己概念の形成

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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