学習性無力感とは、「嫌な環境から回避することを諦めて無気力になること」を意味する心理学用語です。日常例も多いのが特徴で、大人・子ども関係なく見られます。
また不登校やうつ病の原因にもなるので、悩んだり苦しんだりしている人も多いでしょう。しかし時間をかければ、学習性無力感を克服できる可能性はあります。
そこで今回は、学習性無力感についてわかりやすくまとめてみました。学習性無力感から抜け出すためのポイントも、簡単に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
学習性無力感とは?意味をわかりやすく解説
そもそも学習性無力感とは、アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマンが提唱した概念です。「嫌な環境から回避することを諦めて無気力になること」を表します。
学習性無力感は、ストレスを感じる嫌悪刺激に対して、逃避・回避できないことを学習したとき見られます。
【学習性無力感とは】
嫌な環境から回避することを諦めて無気力になること。心理学者のセリグマンが提唱した概念。
嫌悪刺激の具体例は、周囲からの嫌がらせ・虐待などです。そのため学習性無力感が、不登校やうつ病などの原因になることもあります。
学習性無力感に関するセリグマンの実験例
セリグマンは、犬の逃避・回避学習に関する実験を行いました。
まず犬を宙吊り状態にして、繰り返し電気ショックを与えます。犬は逃げることができず、電気ショックを止めることもできません。
その後、壁を越えれば電気ショックを避けられる環境で、再び実験を行います。通常であれば回避行動を取ろうとしますが、その犬は動かずにじっとしていました。
日常で見られる学習性無力感の例
たとえば仕事でどんなに頑張っても、上司から評価されず、給料も上がらないとします。この状態が続いたら、働く気力も無くなってしまうのも仕方ありません。
また学校でいじめを受けていて、先生に注意してもらっても改善されない場合、その子は学習性無力感を感じてしまうでしょう。
このように学習性無力感は、大人・子ども関係なく、日常例がいくつも見られます。不登校やうつ病などの原因にもなるので、注意が必要です。
【克服したい】学習性無力感から抜け出すには?
学習性無力感とは、「何をしても無駄」「どうせできない」のような思考になりがちです。そのためすぐに達成できる目標を設定し、成功体験を積むことが重要になります。
またどんな状況であっても、あなただけは、自分自身を承認してあげられることを覚えておきましょう。このとき、マインドフルネスなどの技法を習得しておくと役立ちます。
ただしどの方法を用いても、学習性無力感から抜け出すには時間がかかります。個人差もあるので、焦らずゆっくり、自分のペースで克服を目指してみてください。
※うつ病などを診断されている場合は、注意が必要です。症状が悪化するケースもあるので、まずは専門家と相談するようにしてください。
学習性無力感の日常例や克服方法まとめ
今回は学習性無力感について、わかりやすくまとめてみました。
学習性無力感の意味は、以下のとおりです。嫌悪刺激に対して、逃避・回避できないことを学習したとき見られます。
【学習性無力感とは】
嫌な環境から回避することを諦めて無気力になること。心理学者のセリグマンが提唱した概念。
学習性無力感の日常例も多く、悩んでいる人も多いでしょう。ただし時間をかければ、克服できる可能性もあります。
学習性無力感について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
学習性無力感の参考文献
・人間の学習性無力感(Learned Helplessness)に関する研究
・Locus of Control 尺度の作成と,信頼性,妥当性の検討
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
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