随伴性(ずいはんせい)とは、「ある行動が、ある結果(環境の変化)をもたらす」という関係を意味する心理学用語です。行動随伴性とも呼ばれており、4つの種類があります。
そこで今回は、行動随伴性について簡単にまとめてみました。心理学の意味・具体例も、随伴性ダイアグラムでわかりやすく説明しています。
また行動随伴性と三項随伴性との違いにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
随伴性(行動随伴性)とは?意味をわかりやすく解説
そもそも随伴性とは、「ある行動が、ある結果(環境の変化)をもたらす」という関係性を表しています。行動分析学において、とても重要な概念のひとつです。
読み方は「ずいはんせい」で、行動随伴性と呼ばれることもあります。「〜という行動をすると、〜が起きる」という言葉に置き換えるとイメージしやすいでしょう。
【随伴性(行動随伴性)とは】
「ある行動が、ある結果(環境の変化)をもたらす」という関係性を表した心理学用語。
そして、行動随伴性の様子を示したものが「随伴性ダイアグラム」です。随伴性ダイアグラムを見ると、行動の前後でどのような環境の変化があったのかを確認できます。
直前 | 行動 | 直後 |
---|---|---|
感謝なし | 席を譲る | 感謝あり |
保湿なし | 化粧水をつける | 保湿あり |
お小遣いなし | お手伝いをする | お小遣いあり |
4つの行動随伴性を簡単に説明
行動随伴性は、全部で4つの種類があります。心理学用語で、正の強化・負の強化・正の罰・負の罰などと呼ばれているものです。
それぞれ随伴性が異なるため、行動の増減も異なります。行動が増えるのは「正の強化・負の強化」、行動が減るのは「正の罰・負の罰」です。
心理学用語だけを見ると混同しやすいので、一度内容を確認しておくと良いでしょう。
具体例 | 行動の増減 | |
---|---|---|
正の強化 | 報酬をもらえる | 行動↑ |
負の強化 | 不快を取り除ける | 行動↑ |
正の罰 | 嫌悪刺激がある | 行動↓ |
負の罰 | 報酬がなくなる | 行動↓ |
日常で見られる行動随伴性の具体例
日常で見られる行動随伴性の具体例は、たくさんあります。随伴性ダイアグラムに表すことで、行動と結果の関係性がわかりやすいでしょう。
たとえば新しい服を着て、多くの友達に会うとします。その結果、友達と会うたびに褒められれば、その服を着る回数は増加するはずです。
直前 | 行動 | 直後 |
---|---|---|
褒め言葉なし | 新しい服を着る | 褒め言葉あり |
一方で新しい服が、自分に似合っていないとしましょう。その結果、友達と会うたびに批判されれば、その服を着る回数は減少すると思います。
直前 | 行動 | 直後 |
---|---|---|
批判なし | 新しい服を着る | 批判あり |
行動随伴性と三項随伴性との違い
行動分析学おいては、三項随伴性という言葉もあります。これは「ある刺激のもとで、ある行動すると、ある結果をもたらす」という関係性を表した心理学用語です。
一方で行動随伴性には、先行する刺激がありません。行動と結果の2項だけでも、説明できる場合があるため、このような用語ができたと言われています。
このように、一見同じように見えますが、行動随伴性と三項随伴性は違います。正しく理解するためにも、間違いないようにしましょう。
心理学の随伴性(行動随伴性)の意味・具体例まとめ
今回は随伴性(行動随伴性)について、わかりやすくまとめてみました。
行動随伴性の意味は、以下のとおりです。「〜という行動をすると、〜が起きる」という言葉に置き換えるとイメージしやすいと思います。
【随伴性(行動随伴性)とは】
「ある行動が、ある結果(環境の変化)をもたらす」という関係性を表した心理学用語。
また行動随伴性は、日常で見られる具体例も多くあります。その際には、随伴性ダイアグラムで仕組みを確認するのが良いでしょう。
行動随伴性について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
行動随伴性の参考書籍
行動随伴性に関する書籍として、「行動分析学入門」などがあります。
この本では、行動学習の仕組みが、具体例と一緒にわかりやすくまとめられています。随伴性ダイアグラムもあるので、内容を確認するにはぴったりでしょう。
教科書のようにサイズは大きく、ページ数も多いので、しっかり勉強したい人向けです。気になる人は、ぜひ一度チェックしてみてください。
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