プレマックの原理とは「低頻度で起こる行動の直後に、高頻度で起こる行動をさせると、低頻度の行動が増える」というものです。行動の自発頻度の差を利用しています。
そこで今回は、プレマックの原理をわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・具体例についても、簡単に紹介しています。
またプレマックの原理は、行動修正にも使われています。覚えておくと役立つので、ぜひ参考にしてみてください。
ブレマックの原理とは?意味をわかりやすく解説
そもそもプレマックの原理は、アメリカの心理学者であるデイビット・プレマックが提唱した概念です。
これは「低頻度で起こる行動の直後に、高頻度で起こる行動をさせると、低頻度の行動が増える」ことを意味します。従来の原理とは異なる考え方です。
【プレマックの原理とは】
「低頻度で起こる行動の直後に、高頻度で起こる行動をさせると、低頻度の行動が増える」という考え方。心理学者のプレマックが提唱した概念。
プレマックの原理では、行動の自発頻度の差をうまく利用しています。そのため勉強や運動など、日常行動を修正するときにも役立ちます。
従来の考え方とプレマックの原理の違い
たとえば、レバーを押してエサが出ることを学習したラットは、レバーを頻繁に押すようになります。
従来の場合、「エサが出るという環境の変化(結果)」がレバーを押す行動を強化したと考えます。一方でプレマックは、「食べる行動そのもの」に注目しました。
つまり「低頻度で起こる行動(レバーを押す)の直後に、高頻度で起こる行動(エサを食べる)をさせると、低頻度の行動が増える」というわけです。
プレマックの原理の具体例を簡単に説明
以下の内容は、プレマックの実験をもとに考えた具体例です。実際の研究内容とは異なるので、あくまでも参考程度にしてみてください。
まずはベル・レバー・ボールが置いてある部屋に、サルを入れます。しばらく観察すると、サルは「ベルを鳴らす<レバーを押す<ボールで遊ぶ」という頻度で行動していました。
行動 | 頻度 |
---|---|
ベルを鳴らす | 10分間に3回 |
レバーを押す | 10分間に10回 |
ボールで遊ぶ | 10分間に20回 |
次にベルを鳴らさないと、ボールで遊べないようにします。するとサルは、頻繁にベルを鳴らすようになりました(ボールで遊ぶ行動が、ベルを鳴らす行動を強化した)。
今度はレバーを押さないと、ボールで遊べないようにします。するとサルは、レバーを頻繁に押すようになりました(ボールで遊ぶ行動が、レバーを押す行動を強化した)。
※実際の研究では、レバーを押す・ピストンを引く・ちょうつがいを触る・ドアを開閉するという、4つの行動に注目していたと言われています。
プレマックの原理に関する日常例
プレマックの原理に関する日常例はさまざまです。特に行動修正のときに役立ちます。
たとえば勉強を30分間したら、好きなマンガを1冊読めるとします。その結果、勉強をする行動は、マンガを読む行動によって強化されるでしょう。
また運動を30分間したら、好きなお菓子を食べていいと決めます。これをうまく利用すれば、運動をする行動が強化されるので、ダイエットにも活かせるというわけです。
プレマックの原理の意味・具体例まとめ
今回はプレマックの原理について、わかりやすくまとめてみました。
プレマックの原理の意味は、以下のとおりです。行動の自発頻度の差を利用しており、従来の原理とは異なる考え方をしています。
【プレマックの原理とは】
「低頻度で起こる行動の直後に、高頻度で起こる行動をさせると、低頻度の行動が増える」という考え方。心理学者のプレマックが提唱した概念。
またプレマックの原理は、勉強や運動など、日常行動の修正にも役立ちます。そのため、仕組みを覚えておくと便利でしょう。
プレマックの原理について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
プレマックの原理の参考書籍
プレマックの原理に関する書籍として、「行動分析学入門」などがあります。
この本では、行動学習の仕組みが、具体例と一緒にわかりやすくまとめられています。そのなかで、プレマックの原理についても触れられていました。
教科書のようにサイズは大きく、ページ数も多いので、しっかり勉強したい人向けです。気になる人は、ぜひ一度チェックしてみてください。
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