ウェーバー・フェヒナーの法則とは?意味や具体例をわかりやすく解説

ウェーバー・フェヒナーの法則とは

ウェーバー・フェヒナーの法則とは、「感覚の大きさは、刺激強度の対数に比例する」ことを意味します。「弱い刺激には敏感で、強い刺激には鈍感である」ということです。

そこで今回は、ウェーバー・フェヒナーの法則を簡単にまとめてみました。ウェーバーの法則との違いや、心理学用語を解説しながら、わかりやすく説明しています。

またウェーバー・フェヒナーの法則の、身近な具体例にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ウェーバー・フェヒナーの法則とは?簡単に解説

そもそもウェーバー・フェヒナーの法則とは、刺激の強さと感覚の大きさの関係を説明したものです。精神物理学(心理物理学)の分野において重要になります。

これはヴェーバーが見出した法則をもとに、弟子であるフェヒナーが提唱しました。そのため、フェヒナーの法則とも呼ばれています。

まずは2人がどんな法則を提唱したのか、確認してみましょう。心理学用語についても、一緒にわかりやすく解説しています。

ウェーバーの法則

ウェーバーの法則とは、生理学者のエルンスト・ヴェーバーが提唱したものです。「刺激の強さにほぼ比例して、弁別閾が変化する」ことを意味します。

つまり「刺激が強くなれば、弁別閾も同じように高くなる」という法則です。以下の公式で表すことができ、定数Kのことを「ウェーバー比」と呼びます。

ウェーバー比を求めることができれば、刺激の強さが変わっても、弁別閾を計算できます。

ウェーバーの法則の公式

ΔS/S=K

<例:定数Kが1/10の場合>
重さ100gの弁別閾は10g
重さ400gの弁別閾は40g
重さ1000gの弁別閾は100g

ΔS
(デルタ)
弁別閾
S刺激の強さ
K定数(ウェーバー比)

※弁別閾=たとえば100gと101gは区別できないが、100gと102gは区別できる場合、弁別閾は2gとなる

フェヒナーの法則(ウェーバー・フェヒナーの法則)

フェヒナーの法則は、物理学者のグスタフ・フェヒナーが提唱したものです。ヴェーバーの法則を基にしているため、「ウェーバー・フェヒナーの法則」とも呼ばれています。

これは「感覚の大きさは、刺激強度の対数に比例する」ことを意味します。つまり「弱い刺激には敏感で、強い刺激には鈍感である」ということです。

フェヒナーの法則は、グラフで表すとわかりやすいでしょう。刺激の弱いうちは感覚の大きさが上がりやすく(敏感)、刺激が強くなると感覚の大きさは上がりにくく(鈍感)なります。

ウェーバーの法則とフェヒナーの法則の違い

たとえば重さ100gの弁別閾が10gの場合、重さ1000gの弁別閾は100gと計算できます。このような比例関係を説明したものが、ウェーバーの法則です。

ウェーバーの法則に基づくと、重さ100gの場合、10g増えるだけで変化に気づきます。しかし重さ1000gの場合、100g増えないと変化に気づきません。

このように弱い刺激のときは敏感で、強い刺激のときは鈍感になることを説明したのが、フェヒナーの法則です。

ウェーバー・フェヒナーの法則の具体例

ウェーバー・フェヒナーの法則は、日常生活でも見られます。わかりやすい具体例が、買い物をするときの計算です。

たとえば100円の商品が50円割引されていた場合、かなり安いと感じるでしょう。しかし1,000円の商品が、50円割引されていても、あまりお得だと感じないはずです。

また逆に、100円の商品が150円になった場合、かなり値上げされたと感じます。しかし1,000円の商品が、1,050円になっていても、あまり気になりません。

ほかにも音・匂い・味・明るさなど、ウェーバーフェヒナーの法則に関する身近な例はたくさんあります。

心理学のウェーバー・フェヒナーの法則まとめ

今回はウェーバー・フェヒナーの法則について、わかりやすくまとめてみました。

ウェーバー・フェヒナーの法則の意味は、以下のとおりです。簡単に説明すると、「弱い刺激には敏感で、強い刺激には鈍感である」ということを表しています。

【ウェーバー・フェヒナーの法則とは】
「感覚の大きさは、刺激強度の対数に比例する」という法則。刺激の弱いうちは感覚の大きさが上がりやすく、刺激が強くなると感覚の大きさは上がりにくい。

ウェーバー・フェヒナーの法則は、身近な具体例もたくさんあります。そのため内容を覚えておくと、役立つこともあるでしょう。

ウェーバー・フェヒナーの法則について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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