弁別閾(べんべついき)とは、「刺激を感覚的に区別できる最小の差」を意味しています。つまり「はじめて刺激の差を感じ取れる境界線」のことです。
そこで今回は、弁別閾の意味や日常生活で見られる具体例を、簡単にまとめてみました。刺激閾(絶対閾)との違いについても、わかりやすく説明しています。
また弁別閾をもとにした、ウェーバーの法則にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
弁別閾とは?意味を簡単に解説
弁別閾とは「刺激を感覚的に区別できる最小の差」を意味する心理学用語です。読み方は「べんべついき」で、丁度可知差異とも呼ばれています。
【弁別閾とは】
「刺激を感覚的に区別できる最小の差」を意味する心理学用語。丁度可知差異とも呼ばれる。
弁別閾は、特に精神物理学(心理物理学)の分野において重要な語句です。またウェーバーの法則など、弁別閾に関する法則もさまざまあります。
ちなみに弁別閾は、感覚の種類・個人によって異なります。また刺激の強さによっても変わるので、注意が必要です。
※弁別閾:difference threshold または difference limen
※丁度可知差異:just noticeable difference
日常生活でも見られる弁別閾の具体例
日常生活でも見られる具体例を参考に、弁別閾を考えてみましょう。両手に100gの重りを持って、片方の重さだけを変えながら、2つの重量を比較するとします。
このとき100gと101gは区別できなくても、100gと102gは区別できる場合、重さ100gの弁別閾は2gです(感覚的に区別できる最小の刺激差)。
そして重さが変わると、弁別閾も変わります。たとえば重さが1000gになった場合、1002gと比較しても、あまり差を感じないというわけです。
弁別閾と刺激閾(絶対閾)との違い
精神物理学(心理物理学)の分野では、弁別閾のほかにも重要語句があります。
特に弁別閾と、刺激閾(絶対閾)の違いは、混同しやすいので注意が必要です。あわせて確認しておくと、覚えるときに役立つでしょう。
弁別閾 (丁度可知差異) | 刺激を感覚的に区別できる最小の差 |
刺激閾 (絶対閾) | 刺激を感じる最小の強さ |
刺激頂 | 刺激を正常に感じられる強さの上限 |
閾値 | 興奮を引き起こす刺激の最小値 |
簡単に説明すると、刺激閾は「はじめて刺激を感じる境界線」のことです。ある一定以上の刺激強度がないと、人間は感知できません。
一方で弁別閾は、「はじめて刺激の差を感じ取れる境界線」のことです。2つの刺激があり、その差を感じる最小値を意味します。
弁別閾を用いた「ウェーバーの法則」とは
弁別閾を用いた法則の代表例で、「ウェーバーの法則」があります。これは「刺激の強さにほぼ比例して、弁別閾が変化する」というものです。
つまり刺激が強くなれば、弁別閾も同じように高くなることを表しています。たとえば重さ100gの弁別閾が10gの場合、重さ400gの弁別閾は40gです。
またウェーバーの法則をもとにした、「フェヒナーの法則(ウェーバー・フェヒナーの法則)」もあります。こちらも重要なので、ぜひ一緒に確認してみてください。
心理学における弁別閾の意味・具体例まとめ
今回は弁別閾について、わかりやすくまとめてみました!
弁別閾の意味は、以下のとおりです。簡単に説明すると、「はじめて刺激の差を感じる境界線」ということになります。
【弁別閾とは】
「刺激を感覚的に区別できる最小の差」を意味する心理学用語。丁度可知差異とも呼ばれる。
また弁別閾の具体例は、日常生活でもよく見られます。確認しておけば、刺激閾(絶対閾)との違いや、ウェーバーの法則を学ぶときにも役立つでしょう。
心理学の弁別閾について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
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