DESC法とは?意味・具体的な例文・4つのステップをわかりやすく解説

心理学のDESC法とは

DESC法(デスク法)とは、自分も相手も大切にしたコミュニケーション方法を4ステップで説明したものです。手順を理解しておくと、人間関係を築くときに役立つでしょう。

そこで今回は、DESC法についてわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・例文・具体的な手順も、簡単に解説しています。

またDESC法は、アサーショントレーニングとしても注目されています。例題もいくつか紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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DESC法とは?意味をわかりやすく解説

そもそもDESC法とは、ゴードン・バウアーらによって提唱されたものです。英語の「Describe」「Express」「Specify」「Choose」の頭文字からきています。

DESC法を実践すると、自分も相手も尊重しながら、コミュニケーションができます。そのため家庭や職場など、あらゆる人間関係を築くときに役立ちます。

【DESC法とは】
自分も相手も大切にしたコミュニケーション方法を4ステップで説明したもの。英語の「Describe」「Express」「Specify」「Choose」の頭文字からきている。

またDESC法は、アサーショントレーニングの方法としても注目されています。4つのステップを意識するだけなので、誰でも簡単に実践できるでしょう。

DESC法の4つのステップ

ここからはDESC法の4つのステップについて、それぞれ簡単に解説していきます。

ちなみに親しい人間関係であれば、Sの提案からはじめても良いでしょう。アサーティブな表現ができないときは、少し時間をかけて、台詞を考えてみてください。

D=describe(描写する)

「Describe」では、自分が対応しようとする事実・状況を描写します。見たこと聞いたことを、具体的かつ客観的にまとめてください。

このとき、相手の意図や感情は含まれません。あくまでも客観的事実を説明しているだけなので、どちらも納得できる内容になっています。

E=express(表現する)

状況を描写したあとは、「Express」で自分の主観的な気持ちを表現します。また相手が考えていること、感じていることを予想して、伝えてみるのも良いでしょう。

話すときには感情的にならず、適切な言葉で述べてください。ちなみに、「Explain=説明する」や「Empathize=共感する」という英単語が使われる場合もあります。

S=specify(明確な提案をする)

「Specify」では、自分が考える解決案を提案します。場合によっては、〜してほしいという依頼や、妥協案になることもあるでしょう。

ここで提案する内容は、小さな行動の変容でも構いません。その代わり、具体的で現実的なものを明確に述べてください。

C=choose(選択する)

自分が提案したあとの「Choose」では、選択肢を示します。相手がどのような行動をするか、イエスの返事がきた場合と、ノーの返事がきた場合の2パターンを考えておくと良いでしょう。

選択肢の内容は、具体的かつ実行できるものにします。相手を脅かす内容や、不利にさせる内容は控えるようにしてください。

DESC法の具体的な例文

DESC法の例文としてよく挙げられるのが、タバコをテーマにした会話です。

たとえば喫茶店で、喫煙席の近くに座っていたとします。自分はタバコを吸いませんが、一緒にいる友人は喫煙者で、煙のニオイがしてきたという例題です。

D=Describe
描写する
・ここは喫煙席に近いので
煙が流れてきますね。
E=Express
表現する
・私は煙が苦手で、
喉が痛くなってきました。
・あなたはタバコを
吸いたくなったかもしれませんね。
S=Specify
明確な提案をする
・そろそろお店を出て
ほかの場所に移動しませんか
C=Choose
選択する
・そうすれば私は助かりますし、
あなたも誘惑から逃れられます。
・もしタバコを吸いたければ
一服してからお店を出ませんか。

あまり意見の言えない人や、自信のない人であれば、相手に伝えずに煙を我慢するでしょう。一方で自己中心的な人であれば、喫煙者の友人に愚痴を言うかもしれません。

しかしDESC法を活用すると、このように相手を尊重しつつ、自分の気持ちも主張できます。そのため、良い人間関係を築きやすくなるというわけです。

DESC法をわかりやすくした「みかんていいな法」

もしDESC法が難しいと感じる人は、「みかんていいな」という言葉で覚えておくと良いでしょう。こちらも4つの単語の頭文字からきています。

特にDESC法の場合は、DとEが混同しがちです。しかしこの方法なら、D=見たこと、E=感じたことと区別できるので、台詞を考えやすくなりますよ。

見たこと
かん感じたこと
てい提案する
いな否定だった場合の代案

DESC法の例題を簡単に紹介

日常生活でも活用できるように、ここではDESC法の例題をいくつか挙げてみました。

たとえば友達に遊ばないかと誘われましたが、予定があるので断りたいとします。このとき、DESC法を使って伝えるとどうなるでしょうか。

D=Describe
描写する
・このあと別の予定があるんだ。
・車で出かけないといけなくて。
E=Express
表現する
・あなたはまだ遊びたいと思う。
・でも私は早めに帰りたいんだ。
S=Specify
明確な提案をする
・だから今日じゃなくて
また明日遊ぶのはどうかな。
C=Choose
選択する
・明日なら遅くまで遊べるよ。
・どうしても今日が良ければ、
あと30分だけなら大丈夫。

また仕事で、後輩が期日を過ぎても連絡せず、自分が困っていたとします。このとき、DESC法を使って注意するとどうなるでしょうか。

D=Describe
描写する
・期日は昨日までだったよね。
・そして連絡もしてこなかった。
E=Express
表現する
・君は間に合わせようと急いで
仕事をしていたのかもしれない。
・でも連絡がなくて私は困った。
S=Specify
明確な提案をする
・遅れそうなときは、
事前に伝えておいてくれないか。
C=Choose
選択する
・そうすれば私は助かるし、
そのうえで仕事も進められる。
・もし手に負えないなら
手伝うこともできるから。

このようにDESC法は、あらゆる人間関係との会話で役立ちます。もしコミュニケーションをとるときに悩んだときは、ぜひ活用してみてください。

DESC法の意味・具体的な例文まとめ

今回は心理学のDESC法について、わかりやすくまとめてみました。

DESC法の意味は、以下のとおりです。手順に沿って台詞を考えるだけなので、誰でも簡単にできると思います。

【DESC法とは】
自分も相手も大切にしたコミュニケーション方法を4ステップで説明したもの。英語の「Describe」「Express」「Specify」「Choose」の頭文字からきている。

またDESC法は、アサーショントレーニングとしても注目されています。コミュニケーションをとるときに役立つので、例文を確認してくと良いでしょう。

DESC法について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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