スタンフォード監獄実験とは?実験内容・結果・その後をわかりやすく解説

スタンフォード監獄実験とは

スタンフォード監獄実験とは、監獄の空間を再現して「環境が行動に影響を与えるか」を研究したものです。権力を持った人間の変化が特徴的ですが、実験結果に対する批判も多くあります。

そこで今回は、スタンフォード監獄実験をわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・実験内容・結果からわかることも、簡単に紹介しています。

またスタンフォード監獄実験のその後や、捏造・やらせ疑惑にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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スタンフォード監獄実験とは?わかりやすく解説

スタンフォード監獄実験の意味とは

そもそもスタンフォード監獄実験とは、心理学者であるフィリップ・ジンバルドーの研究を表しています。模擬刑務所を用いて、「環境が行動に影響を与えるか」を調査した内容です。

ジンバルドーは、監獄内の残虐行為や暴力行為に興味を持ちます。そして「看守がもともと残虐的なのか、それとも監獄という環境が影響しているのか」を調べました。

【スタンフォード監獄実験とは】
監獄の空間を再現して「環境が行動に影響を与えるか」を調べた実験。心理学者のフィリップ・ジンバルドーが行った。

その結果、性格に関係なく、看守役が暴力的になっているとジンバルドーは考えます。つまり権力を持ったことと、権力のない囚人役と一緒にいることが原因ということです。

しかしスタンフォード監獄実験には、問題点があるのも事実です。そのため実験後には、捏造・やらせ疑惑も浮上して、信頼性がないという批判もあります。

※『プリズン・エクスペリメント』という、スタンフォード監獄実験を題材にした映画もあります。そこでスタンフォード監獄実験の様子を確認できます。

スタンフォード監獄実験を簡単に説明

スタンフォード監獄実験の内容

ジンバルドーは被験者を集めて、囚人役9人と看守役9人に割り振ります。そして監獄を再現した実験室を用意して、それぞれの様子を観察しました。

看守役には、制服・ホイッスル・警棒などが渡されます。3人ずつのシフト制になっており、具体的な指示を与えたり、訓練することはありませんでした。

一方で囚人役は、屈辱感を味わうような服装に着替えさせられ、ひどい扱いを受けます。最初は役割に慣れない人もいましたが、それも懲罰を受ける対象になりました。

スタンフォード監獄実験の結果からわかること

スタンフォード監獄実験をはじめると、2日目の朝には、囚人役が反抗的な行動をとるようになります。それに対して看守役も、高圧的になっていきました。

その後、看守役の行動は、より残虐的なものにエスカレートします。その結果、囚人役のなかから、身体の不調や精神異常を訴える人が出てきました。

そして実験は、中止せざるを得ない状況にまで悪化し、2週間の予定のところ6日間で終了します。囚人役はとても喜びましたが、看守役はそうでもなかったそうです。

スタンフォード監獄実験の結果から、性格に関係なく、監獄という環境が行動に影響を与えているとジンバルドーは考えます。つまり看守役という権力を持ち、権力のない囚人役と一緒にいたため、暴力的になったわけです。

やらせ疑惑も?スタンフォード監獄実験のその後

スタンフォード監獄実験のあと、ジンバルドーは被験者をカウンセリングし続けています。その後、後遺症が残っている人はいないそうです。

しかし実験中に、看守役への積極的な指示があったことが指摘されています。また囚人役のなかには、発狂のフリをしたと認めた人もいました。

そのため、スタンフォード監獄実験に対する捏造・やらせ疑惑も浮上しています。今では信頼性のない実験だと、批判する人も多いのが事実です。

スタンフォード監獄実験の結果・その後まとめ

今回はスタンフォード監獄実験について、わかりやすくまとめてみました。

スタンフォード監獄実験の内容は、以下のとおりです。この研究を題材にした映画もあるので、気になる人はチェックしてみることをおすすめします。

【スタンフォード監獄実験とは】
監獄の空間を再現して「環境が行動に影響を与えるか」を調べた実験。心理学者のフィリップ・ジンバルドーが行った。

しかしスタンフォード監獄実験は、その後にやらせ疑惑も浮上しています。結果に信頼性があるとは言いきれないので、あくまでも参考程度にしておくのが良いでしょう。

スタンフォード監獄実験について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

スタンフォード監獄実験の参考書籍

スタンフォード監獄実験に関する書籍として、『眠れなくなるほど面白い社会心理学』や『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』などがあります。

眠れなくなるほど面白い社会心理学

『眠れなくなるほど面白い社会心理学』は、心理学の研究をもとに、社会のなかで見られる人々の言動がまとめられています。その中で、スタンフォード監獄実験も紹介されていました。

『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』は、ジンバルドーが著者の本で、スタンフォード監獄実験の内容・結果がわかりやすく解説されています。また実際の刑務所でおきた虐待事件についても書かれているのが特徴です。

そのため、スタンフォード監獄実験を理解するにはぴったりの本でしょう。気になる人は、ぜひ一度チェックしてみてください。

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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