エクスポージャー療法(暴露療法)とは、「不安の弱いものから段階的に体験(暴露)させる」という方法です。古典的条件づけの原理を用いたものですが、注意点もあります。
そこで今回は、エクスポージャー療法をわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・具体的なやり方も、簡単に紹介しています。
自分でエクスポージャー療法をやるのは、非常につらい思いをするでしょう。またやり方を間違えると悪化する危険もあるので、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。
エクスポージャー療法(暴露療法)とは?意味を簡単に解説
そもそもエクスポージャー療法とは、心理学の行動療法のひとつです。古典的条件づけ(レスポンデント条件付け)の原理を利用しています。
アメリカの心理学者であるメアリー・カバー・ジョーンズが、ピーターという男の子に対して、ウサギに対する恐怖症治療を行ったのが発端だと言われています。
【エクスポージャー療法(暴露療法)とは】
「不安の弱いものから段階的に体験(暴露)させる」という方法。不安が自然に弱まることを体験させる目的がある。
具体的には、「不安の弱いものから段階的に体験(暴露)させる」という方法を用います。そして、その不安が自然に弱まることを体験することで、克服を目指したものです。
エクスポージャー療法は、強迫性障害・パニック障害など、多くの不安障害に使われています。特にPTSDに有効とされるものを、持続的エクスポージャーといいます。
エクスポージャー療法の種類・やり方
一般的にエクスポージャー療法は、不安が弱いものから体験(暴露)させる方法で行います。実際に刺激を与える・イメージさせるなど、やり方はさまざまです。
ただし同じように暴露する方法として、いくつか種類があります。エクスポージャーといっても、別の療法を指している可能性が考えられるので、注意が必要です。
ここでは簡単に、エクスポージャー療法の種類・やり方をまとめてみました。それぞれの特徴や違いについて、一度チェックしてみてください。
エクスポージャー (暴露療法) | 不安の弱いものから 段階的に暴露させて、 自然に弱まることを 体験させる療法。 |
系統的脱感作法 | ウォルピが提唱した療法。 不安を感じる状況で リラクセーションを行い、 それを消し去るようにする。 |
フラッディング | 不安が最も強いものを いきなり暴露する療法。 |
暴露反応妨害法 | 不安を感じたときに、 強迫行動を禁じる療法 強迫性障害に用いられる。 |
デメリット:自分でエクスポージャー療法をやるのはつらい
エクスポージャー療法を実施する場合、不安な状況に晒されることになります。当然ながら恐怖を感じたり、つらいと思うこともあるはずです。
そのためエクスポージャーの内容を、自分で決めてしまうのは危険です。専門家と相談しながら、今の状態に合ったやり方を見つけるのが良いでしょう。
ちなみに実施する際には、そばで見守ってくれる人がいると安心できます。また音楽を聴いて、不安な気を紛らわすなどの方法も有効です。
悪化する危険性も?エクスポージャー療法の注意点
先ほど説明したように、エクスポージャー療法による暴露はつらいものです。そのためやり方を間違えると、不安や恐怖が強くなってしまい、状態が悪化する場合もあります。
特に治療中で、抗うつ薬などを処方してもらっている人は注意してください。エクスポージャー療法のために、飲むのを勝手にやめようとするのは非常に危険です。
あくまでも治療を優先して、エクスポージャー療法を実施する際には、専門家に相談するようにしましょう。
エクスポージャー療法(暴露療法)のやり方・危険性まとめ
今回はエクスポージャー療法(暴露療法)をわかりやすくまとめました。
エクスポージャー療法にはさまざまなやり方がありますが、自分でやるのはつらく大変でしょう。また悪化する危険性もあるので、専門家に相談したうえで実施してください。
【エクスポージャー療法(暴露療法)とは】
「不安の弱いものから段階的に体験(暴露)させる」という方法。不安が自然に弱まることを体験させる目的がある。
ちなみにエクスポージャー療法は、行動療法のひとつで、古典的条件づけの原理を利用しています。そのため一緒に確認しておくと、覚える際に役立つでしょう。
エクスポージャー療法について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
エクスポージャー療法(暴露療法)の参考文献
・PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル(治療者用)
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
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