フラッディング法とは?心理学の意味・具体例・注意点をわかりやすく解説

心理学のフラッディング法とは

フラッディング法とは、「不安が最も強いものをいきなり体験(暴露)させる」という方法です。古典的条件づけの原理を用いたものですが、注意点もあります。

そこで今回は、フラッディング法をわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・具体例についても、簡単に解説しています。

またフラッディング法と、エクスポージャー療法(暴露療法)との違いにも触れているので、ぜひ内容を参考にしてみてください。

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フラッディング法とは?意味を簡単に解説

そもそもフラッディング法とは、心理学の行動療法のひとつです。古典的条件づけ(レスポンデント条件付け)の原理を利用しています。

フラッディング法では「不安が最も強いものをいきなり体験(暴露)させる」という方法を用います。不安に慣れさせることを目的にしており、段階的ではないのが特徴です。

【フラッディング法とは】
段階的ではなく、「不安が最も強いものをいきなり体験(暴露)させる」という方法。不安に感じる状況を、実際に体験させることで慣れさせる。

フラッディング法は、さまざまな恐怖症・強迫性障害で用いられます。しかし一気に、不安となる刺激を暴露させるので、負担も大きいでしょう。

ちなみにフラッディング法では、不安を実際に体験させるのがポイントです。それに対して、イメージして想像上で体験させる方法は、「インプロージョン法」と呼ばれています。

※フラッディング(flooding):洪水を意味する英語からきている

フラッディング法の具体例

たとえば高所恐怖症で悩んでいる人には、バンジージャンプに連れて行きます。またお化け屋敷が苦手なら、何度も体験させます。

このような方法を、慣れるまで行うのがフラッディング法です。しかし不安の強い刺激を、いきなり暴露するのはつらいと感じるでしょう。

そこでフラッディング法の前段階として、イメージトレーニングをする場合もあります。この方法が、インプロージョンです。

もし学校が嫌なら、まずは登校する場面を想像させます。また電車に乗るのが不安なら、乗車するシーンや車内を想像させます。

フラッディング法の注意点

先ほど説明したとおり、フラッディング法とは、いきなり強い不安に晒される状況をつくる方法です。当然ながらつらい経験をしたり、恐怖を感じたりすることもあるでしょう。

そしてやり方を間違えると、不安や恐怖が強くなってしまい、状態が悪化するかもしれません。そのためフラッディング法を実施する際には、十分な注意が必要です。

基本的には自分で判断せず、専門家の指示のもとで行うようにしてください。

参考:フラッディング法とエクスポージャー療法の違い

同じように暴露する方法として、「エクスポージャー療法(暴露療法)」があります。ポイントはいきなり体験するか、段階的に行うかの違いです。

エクスポージャー療法は、不安の感じる刺激を段階的に暴露させます。まずは不安の小さいものから、徐々に体験していく方法です。

一方でフラッディング法は、不安が最も強いものをいきなり暴露させます。そして不安がなくなるまで晒し続けて、慣れさせるのが特徴です。

このようにやり方は違いますが、どちらも行動療法なので、混同しないように気をつけましょう。

フラッディング法の意味・具体例・注意点まとめ

今回はフラッディング法について、わかりやすくまとめてみました。

フラッディング法は、不安に慣れさせることが目的で、段階的ではないのが特徴です。しかしその分、負担も大きくなるので、専門家に相談したうえで実施してください。

【フラッディング法とは】
段階的ではなく、「不安が最も強いものをいきなり体験(暴露)させる」という方法。不安に感じる状況を、実際に体験させることで慣れさせる。

ちなみにフラッディング法は、行動療法のひとつで、古典的条件づけの原理を利用しています。そのため一緒に確認しておくと、覚える際に役立つでしょう。

フラッディング法について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

フラッディング法の参考文献

フラッディング(用語解説)

フラッディング法適用による中学生不登校への登校行動の形成

恐怖症に対しフラッディング法が奏効した1症例

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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