曝露反応妨害法とは?心理学の意味・やり方・デメリットを簡単に解説

心理学の曝露反応妨害法とは

曝露反応妨害法とは、「不安を感じたときに、強迫行為を禁じる」という方法です。主に強迫症・強迫性障害に対して用いられますが、注意点でもあります。

そこで今回は、曝露反応妨害法をわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・具体的なやり方・デメリットについても、簡単に紹介しています。

自力で曝露反応妨害法をやるのは、非常につらい思いをするでしょう。またやり方を間違えると悪化する危険もあるので、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。

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曝露反応妨害法とは?意味をわかりやすく解説

そもそも曝露反応妨害法とは、心理学の行動療法のひとつです。古典的条件づけ(レスポンデント条件付け)の原理を利用しています。

【曝露反応妨害法とは】
不安を感じたときに、強迫行為を禁じる療法。強迫行為をしなくても、不安が自然に和らぐことを体験させる目的がある。

曝露反応妨害法では「不安を感じたときに、強迫行為を禁じる」という方法を用います。強迫行為をしなくても、不安が自然に和らぐことを体験させるのが目的です。

そのため曝露反応妨害法は、主に強迫症・強迫性障害で悩む人を対象にしています。しかし、強迫観念や不安感をそのまま我慢することになるので、大きな負担がかかるでしょう。

強迫性障害における曝露反応妨害法のやり方

まずは厚生労働省のページを参考に、どんな強迫性障害があるかを簡単にまとめました。これをもとに、曝露反応妨害法のやり方を解説していきます。

たとえば不潔恐怖に対しては、ドアノブや手すりなどを触ったあとに、手を洗うことを禁じます。そして不安がなくなるまで、我慢させ続けます。

また出先で「鍵をかけたか」「エアコンをつけっぱなしにしてないか」などの不安を感じることもあるでしょう。この場合も、家に戻って確認する行為を禁じます。

曝露反応妨害法ではこのようなやり方を続けることで、強迫観念が弱くなり、強迫行為もしなくなると言われています。

不潔恐怖
と洗浄
ドアノブや手すりなど、
不潔に感じるものを恐れる。
触ったら過剰に手を洗ったり
入浴・洗濯したりする。
加害恐怖「誰かに危害を加えたかも」
という不安を感じる。
新聞やニュースを見たり、
警察に確認したりする。
確認行為戸締まりや火元の確認、
電気の消し忘れなどを
何度も確認する。
儀式行為仕事や家事のやり方・手順に
強いこだわりがある。
それを守らないと失敗する
などの不安を感じる。
数字への
こだわり
縁起が良い数字・悪い数字に
強いこだわりがある
物の配置
対称性への
こだわり
物を置く場所・バランスに
強いこだわりがある。

参照:厚生労働省「強迫性障害

自力で曝露反応妨害法をやるのはつらい

曝露反応妨害法では、強迫概念や不安感のある状態で、ずっと我慢することになります。当然ながら体には、大きな負担がかかるはずです。

そのため自力で、曝露反応妨害法を行うのはとてもつらいでしょう。もし日常生活に支障をきたすレベルなら、一度専門家に診てもらうことをおすすめします。

曝露反応妨害法のやり方・頻度なども相談できるので、自分の状態に合わせて治療を進められるはずです。

デメリットも?曝露反応妨害法の注意点

先ほど説明したように、曝露反応妨害法では不安を我慢することになるので、つらいと感じるはずです。またやり方を間違えると、状態が悪化するデメリットも考えられます。

特に治療中で、抗うつ薬などを処方してもらっている人は注意してください。自力で曝露反応妨害法を試すために、飲むのを勝手にやめようとするのは非常に危険です。

薬によって状態が安定すれば、治療も進めやすくなります。あくまでも曝露反応妨害法を実施する際には、専門家に相談するようにしましょう。

曝露反応妨害法のやり方・デメリットまとめ

今回は曝露反応妨害法について、わかりやすくまとめてみました。

曝露反応妨害法は、主に強迫症・強迫性障害で用いられる方法です。しかし自力でやるのはつらく、デメリットもあるので、専門家に相談したうえで実施してください。

【曝露反応妨害法とは】
不安を感じたときに、強迫行為を禁じる療法。強迫行為をしなくても、不安が自然に和らぐことを体験させる目的がある。

ちなみに曝露反応妨害法は、行動療法のひとつで、古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)の原理を利用しています。そのため、一緒に確認しておくと役立つでしょう。

曝露反応妨害法について、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

曝露反応妨害法の参考文献

強迫性障害

強迫性障害(強迫症)の認知行動療法マニュアル (治療者用)

強迫症者に対して暴露反応妨害法及び行動実験を使い分けることが有効であった一例

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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