心理学のカタルシス効果とは?意味・使い方をわかりやすく簡単に解説!

カタルシス効果とは

カタルシスとは、心の中にたまっている感情やストレスを吐き出し、解放させることを意味する言葉です。そしてカタルシスにより、不安や緊張がなくなることを「カタルシス効果」といいます。

カタルシス効果は心理療法だけでなく、日常生活にも応用できるものです。ただし使い方を間違えると、逆効果になってしまうので注意が必要でしょう。

ここではカタルシス効果について、意味をわかりやすく紹介しています。事例を解説しながら、注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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カタルシス効果とは?意味をわかりやすく説明!

もともとカタルシスとは、古代ギリシアで「浄化」「排泄」を意味する言葉です。哲学者のアリストテレスが、著書で「精神の浄化」と表現し、それが広まったといわれています。

心理学では「感情やストレスの解放」を意味する用語として使われています。そしてカタルシスにより気分がスッキリしたり、トラウマを克服できたりするのがカタルシス効果です。

【カタルシス効果とは】
自分のネガティブな感情を解放することで、不安や緊張が取り除かれる心理現象。「カタルシス」とは古代ギリシアの用語で、身体や精神の浄化を意味する。

カタルシスにおける「解放」の方法は、さまざまあります。具体的には、ネガティブな気持ちを言葉に出す・思いっきり泣くなどです。

ちなみに精神科医のジークムント・フロイトも、精神分析療法のなかで、カタルシスの効果を利用していました。そのため現代では、主に心理学用語のひとつとして知られています。

事例で解説!カタルシス効果の使い方

日常生活を振り返ってみると、カタルシス効果の働いてる場面がよく見られます。またビジネスシーンや恋愛の場面などでも、私たちがカタルシス効果を得ているとわかります。

そこで今回は、カタルシス効果がどのように使われているのかを簡単にまとめてみました。事例と一緒にわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

映画をみる・音楽をきく

感動する映画をみたり、失恋ソングを聞いたりすると、思わず泣いてしまうことがあります。この「涙を流す」という行為は、カタルシスの解放のひとつです。

泣いたあとは気持ちが癒されて、心が軽くなるような感覚になります。また悩みを打ち明けたわけでもないのに、気分がスッキリすることもあるでしょう。

ちなみに人によっては、映画や音楽だけでなく、小説・マンガなどでもカタルシス効果が働きます。

恋愛をする

たとえば恋愛相談をしているうちに、その人のことが好きなってしまったという話を聞いたことがあるでしょう。この場合も、カタルシス効果が働いていると考えられます。

心に溜め込んだ悩みを聞いてもらえると、少しは気持ち楽になるはずです。そして「この人と一緒なら安心する」という気持ちから、恋愛感情が生まれてもおかしくありません。

そのため、恋愛の場面でカタルシス効果を利用するときは、相手の話をしっかり聞いてあげることが重要になります。

営業をする

営業の場面でも、カタルシス効果は応用されています。具体的には、顧客との距離を縮めたいときや、商品を購入してもらいたいときなどです。

相手の話をしっかり伺い、ニーズを理解することで、顧客との信頼関係を築くことができます。その結果が、販売につながるというわけです。

そのため、営業でカタルシス効果を利用したいときは、まず相手が悩み・不安を吐き出しやすい状況をつくってあげると良いでしょう。

ただしカタルシスが逆効果になる場合も

カタルシス効果の事例・使い方を紹介しましたが、怒りの感情を解放するときは要注意です。一般的に、怒りをぶちまけることによるカタルシス効果はないといわれています。

実際に心理学者ブラッド・ブッシュマンの研究では、怒りをサンドバックにぶつけると攻撃性が増し、2分間静かにすると感情が落ち着くという結果が出ています。

つまりストレスを感じたとしても、怒鳴ったり、物に八つ当たりをしたりするのは逆効果です。そのため、カタルシスの使い方は間違えないようにしましょう。

心理学におけるカタルシス効果の意味・使い方まとめ

ここでは心理学におけるカタルシス効果について、意味をわかりやすくまとめてみました。

カタルシス効果の説明は以下のとおりです。もともとは浄化・排泄の意味で使われていましたが、現在は「感情やストレスの解放」を意味する言葉として知られています。

【カタルシス効果とは】
自分のネガティブな感情を解放することで、不安や緊張が取り除かれる心理現象。「カタルシス」とは古代ギリシアの用語で、身体や精神の浄化を意味する。

ネガティブな感情は、無理やり押さえ込もうとすると、強いストレスを感じてしまいます。そのため、解放させること(=カタルシス)が重要です。

カタルシス効果の意味について理解を深めるためにも、ぜひここで解説した内容を参考にしてみてください。

カタルシス効果の参考書籍

カタルシス効果に関する書籍として、「ヒステリー研究」などがあります。これは精神科医のシグムント・フロイトと、生理学者のヨーゼフ・ブロイヤーによる著書です。

この本では、カタルシスを心理療法として用いた事例(ヒステリー患者のアンナ・Oに対して行ったもの)が紹介されています。

より詳しくカタルシス効果について学びたい人は、ぜひ読んでみてください。

カタルシス効果の参考文献

悲劇のカタルシス

アリストテレス『詩学』カタルシス再考

対人関係の悩みについての自己開示がストレス低減に及ぼす影響

涙があるからこそ,私は前に進める―社会人における“泣くこと”の心理的効果―

怒り経験の鎮静化過程ー感情・認知・行動の時系列的変化ー

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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