マインドワンダリングとは、「現在から注意が離れて、あれこれ考えてしまう状態」を表す心理学用語です。ネガティブな意味だと思われがちですが、実はメリットもあります。
そこで今回は、マインドワンダリングについて、わかりやすくまとめました。心理学の意味・特徴・やめるための対策方法も、簡単に解説しています。
正しく理解すれば、マインドワンダリングに対する考え方が変わるかもしれません。またADHDやうつ病との関係にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
マインドワンダリングとは?心理学の意味を解説
マインドワンダリング(mind-wandering)とは、英語の「wander(さまよう・放浪する)」からきている心理学用語です。
同じ意味の言葉として、「モンキーマインド」「心の迷走」などがあります。意味は「現在から注意が離れて、あれこれ考えてしまう状態」のことです。
【マインドワンダリングとは】
現在から注意が離れて、あれこれ考えてしまう状態のこと。英語の「wander(さまよう・放浪する)」からきており、気が散って集中できない様子を表す。
つまりマインドワンダリングとは、気が散って集中できない様子を表しています。
マインドワンダリングとうつ病について
マインドワンダリング中に、他者や過去のことを考えると、ネガティブな気分になりやすいと言われています。
そしてネガティブな気分が原因で、マインドワンダリングが生じやすくなるとも言われています。つまり、悪循環に陥りやすいということです。
このことから、マインドワンダリングとうつ病との関係性が注目されています。実際にうつ病患者は、マインドワンダリングの頻度が多いそうです。
マインドワンダリングとADHDについて
一方で、あらゆる思考が浮かんでくることから、創造性を高めている可能性があるとも指摘されています。これに関係してくるのが、ADHDの特性です。
実際にADHDを持つ人は、マインドワンダリングが生じやすく(e.g., Barkley, 1997; Shaw & Giambra, 1993)、創造性テストの成績が優れている(White & Shah, 2006)というデータもあります。
精神的に健康かどうかも関わってくるとは思いますが、ADHDに天才が多いのも、このマインドワンダリングが影響しているためだと考えられます。
マインドワンダリングのメリット・デメリット
ここまでの特徴をまとめると、マインドワンダリングの特徴には、メリットとデメリットがあることに気づくでしょう。
一般的には、気が散りやすいというデメリットに注目しがちです。しかし高い創造性を活かして、天才的な発明をする可能性もあります。
そのため、両方の側面に目を向けながら、マインドワンダリングを理解することが大切です。日常生活に支障が出ているかを基準に、やめるかどうかを判断してみてください。
マインドワンダリングをやめる方法・対策
もしマインドワンダリングをやめるなら、マインドフルネス瞑想がおすすめです。
マインドフルネス瞑想では、「今この瞬間」に意識を向けることを目的に、瞑想を行います。代表例として、呼吸に集中するという瞑想方法があります。
もし瞑想中に気が散ったり、思考が浮かんできたりしたら、その雑念をそのまま受け止めましょう。そして再び、呼吸に意識を戻すという流れを繰り返します。
最初のうちは、マインドワンダリングの状態になりやすいかもしれません。しかし練習を続ければ、克服できると言われているので、継続することを意識してみてください。
マインドワンダリングの意味・メリット・やめる方法まとめ
今回はマインドワンダリングについて、わかりやすくまとめてみました。
マインドワンダリングの意味は、以下のとおりです。うつ病やADHDとも関係しており、その特性をうまく活かせば、メリットになる場合もあります。
【マインドワンダリングとは】
現在から注意が離れて、あれこれ考えてしまう状態のこと。英語の「wander(さまよう・放浪する)」からきており、気が散って集中できない様子を表す。
もしマインドワンダリングをやめるなら、「今この瞬間」に集中するマインドフルネス瞑想を試してみてください。繰り返し練習することで、対策ができます。
マインドワンダリングについて、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
マインドワンダリングの参考文献
- マインドワンダリングおよびアウェアネスと創造性の関連
- 日本語版意図的/非意図的マインドワンダリング傾向尺度の作成と信頼性・妥当性の検討
- 創造性および抑うつ傾向とマインドワンダリングの特徴との関連
- 神経性やせ症患者の不安に対するマインドフルネス瞑想の効果
- ギフテッドのOverexcitability特性と関連するADHD傾向, 空想傾向, およびマインドワンダリング頻度の検討
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
※文章や画像を引用していただいても構いません。その際にはサイト名・タイトルを明記のうえ、該当記事へ飛べるようにURLの設置をお願いいたします。