自由再生法とは、記憶を測定する方法のひとつで、「覚えた情報を順不同で思い出す」というものです。
単語テストのようなイメージで、心理学の実験で用いられます。また自由再生法のほかにも、記憶を測定する方法があるので、あわせてチェックしておくと良いでしょう。
そこで今回は、自由再生法とは何かをわかりやすくまとめてみました。心理学の意味や、具体例なども簡単に紹介しています。
また自由再生法と関係する系列位置効果にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
自由再生法とは?心理学の意味をわかりやすく解説
そもそも心理学には、記憶を測定する方法として「再生法」があります。これは覚えた情報を、口頭・筆記などの方法で再現するというものです。
そして自由再生法とは、この再生法のひとつで、「順不同で思い出す」という意味が加わります。提示された順番に関係なく、途中からでも最後からでも思い出させればOKです。
【自由再生法とは】
再生法のひとつで「覚えた情報を順不同で思い出す」というもの。
ちなみに、順番どおりに思い出す方法は「系列再生法」といいます。系列=順番を意味する言葉だと覚えておくことで、自由再生法と区別することができます。
自由再生法の例を簡単に説明
ここでは自由再生法の例として、簡単な単語を10語覚えてもらうケースを想定してみましょう。
まず被験者には、以下のような単語を一語ずつ、一定の速度で提示します。その後、提示された単語を思い出してもらいます。
- バナナ
- ピアノ
- クルマ
- ゲーム
- サクラ
- ノート
- コップ
- カバン
- ベッド
- マスク
このとき、すぐに回答してもらう場合もあれば(直後再生)、10〜30秒ほど空ける場合もあります(遅延再生)。時間を待っている間、被験者には計算問題などをしてもらいます。
自由再生法なので、上から順番に回答する必要はなく、覚えているものからで構いません。そして単語をどれほど思い出せたか、それぞれの再生率をチェックするという内容です。
自由再生法と関係する「系列位置効果」
系列位置効果とは、「情報を提示する順番が、記憶の再生率に影響する」という現象のことです。
たとえば単語を覚える場合、リストの最初の数項目は、中間部分にある単語よりも思い出しやすくなります。また最後の数項目も同じで、再生率が高くなります。
実際に先ほどの単語を、どれほど思い出せるか試してみてください。系列位置効果の実験では、自由再生法がよく用いられるので、あわせて覚えておくことをおすすめします。
自由再生法の意味・具体例まとめ
今回は心理学の自由再生法について、簡単にまとめてみました。
自由再生法の意味は、以下のとおりです。提示された順番に関係なく、途中からでも最後からでも思い出させれば、記憶を再生できたことになります。
【自由再生法とは】
再生法のひとつで「覚えた情報を順不同で思い出す」というもの。
自由再生法は、系列位置効果の実験でよく用いられます。参考例もまとめているので、心理学の勉強をしている人は、やり方をチェックしておくと良いでしょう。
自由再生法の理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
自由再生法に関係する参考文献
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