コーシャスシフトとは、「個人で判断するよりも、集団で話し合う方が、慎重な選択をしやすい」という現象を意味する、社会心理学の用語です。
コーシャスシフトが起こると、集団内のメンバーの意思決定に大きな影響を与えます。日常生活で見られる例も多いので、内容を確認しておくと良いでしょう。
そこで今回は、コーシャスシフトとは何かをわかりやすくまとめてみました。心理学の意味・具体例についても簡単に説明しています。
またコーシャスシフトと反対の意味を持つリスキーシフトにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
コーシャスシフトとは?心理学の意味をわかりやすく解説
そもそもコーシャスシフトとは集団極性化(集団極化現象)のひとつで、「個人で判断するよりも、集団で話し合う方が、慎重な選択をしやすい」ことを表します。
コーシャスは英語の「cautious」で、用心深い・注意深いなどの意味があります。つまり、保守的な方向に意見がシフトするという心理学用語です。
【コーシャスシフトとは】
個人で判断するよりも、集団で話し合う方が、慎重な選択をしやすい現象のこと。
これはグループで話し合ったときに、現状維持を優先するようなイメージです。特に集団内に安全志向の人が多いと、コーシャスシフトが起こるといわれています。
日常生活で見られるコーシャスシフトの具体例
日常生活においても、コーシャスシフトの具体例はよく見られます。
たとえば旅行プランを決める際に、グループのメンバーで話し合ってもなかなか決まらないようなケースです。話が慎重な方向に傾けば、いつもどおりの旅行先になるでしょう。
またビジネスの場合、古いやり方を変えようとしない企業があります。どんなに効率が悪くても、新しいシステムの提案を却下するようなら、コーシャスシフトが原因かもしれません。
このようにコーシャスシフトは、メンバーの意思決定に大きな影響を与えます。安全志向は悪いことではありませんが、慎重になり過ぎて誤った判断をしないように注意が必要です。
コーシャスシフトとは反対の「リスキーシフト」
コーシャスシフトとは、集団で話し合うことで保守的な判断をしやすくなる現象です。一方で、ハイリスクな選択をしやすくなる「リスキーシフト」もあります。
たとえば新しい企画を話し合うときに、「予算がかかるからやめよう」となるのがコーシャスシフトで、「予算はかかるけど挑戦しよう」となるのがリスキーシフトです。
ちなみにリスキーシフトの方が先に発見され、コーシャスシフトはその後の研究で明らかになりました。一緒に紹介されることも多いので、あわせて覚えておくと良いでしょう。
コーシャスシフトの意味・具体例まとめ
今回は心理学のコーシャスシフトについて、わかりやすくまとめてみました。
コーシャスシフトの意味は、以下のとおりです。集団極化現象のひとつで、集団内に安全志向の人が多いと、起こりやすくなるといわれています。
【コーシャスシフトとは】
個人で判断するよりも、集団で話し合う方が、慎重な選択をしやすい現象のこと。
日常においても、コーシャスシフトの具体例はよく見られます。社会心理学を勉強する際には、反対の意味を持つリスキーシフトとあわせて覚えておくと良いでしょう。
コーシャスシフトの理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
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