「ストレスとは精神的に悪いもの」というイメージを持つ人が多くいます。実際にストレスが溜まる・ストレスを感じるなど、悪い意味で使われる場合がほとんどです。
しかし目に見えるものではないため、よくわからないことも多いでしょう。そこで心理カウンセラーが、ストレスとは何なのかを簡単にまとめてみました。
ここではストレスの意味や仕組みについて、わかりやすく紹介しています。またストレスには、悪い面だけでなく良い面もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
ストレスとは何か?定義について簡単に説明
そもそもストレスとは、物理学の分野で使われている用語です。外部から刺激を受けて、歪みが生じた状態のことを表します。
そして心理学におけるストレスも同じで、「心身に負荷がかかったときに生じる緊張状態」を意味する用語です。この負荷が過度にかかると、人間の体は病んでしまいます。
ちなみに、ストレスという言葉が浸透してきたのは2000年前後のことです。近年になって研究が進み、仕事や日常生活でも重要視されるようになりました。
ストレスの仕組みをわかりやすく解説
ストレスの仕組みを説明するときには、「ストレッサー」と「ストレス反応」という言葉が出てきます。それぞれの意味は以下の通りです。
ストレッサー | 外から心に加わる力や刺激 |
ストレス | ストレッサーによって心が受ける影響 |
ストレス反応 | 心がもとに戻ろうとする働き |
ゴムボールを私たちの心身に例えながら、ストレスについて考えてみましょう。まずゴムボールを押すと(ストレッサー)、その部分はゆがんでしまいます(ストレス)。
このときゴムボールには、もとの形へ戻ろうとする力が働きます(ストレス反応)。押す力を緩めれば、ゆがみも小さくなりますが、力を強めるといずれ破けてしまうでしょう。
ちなみに、ストレスの原因になるものはさまざまあります。そのため、自分にとってのストレスとは何か、知っておくことも重要です。
ストレスの感じ方には個人差がある!具体例は?
ストレスの反応としては、主に心理的・身体的・行動的の3つに分類されます。そして同じストレスを受けたとしても、人によって感じ方や、反応の大きさは異なります。
たとえば上司に怒られて、体調を崩したり、ひどく落ち込んだりする方もいるでしょう。一方でストレス反応をほとんど見せず、うまく向き合っている人もいます。
そのため、自分と他人でストレスの強さを比較することは危険です。あくまでもストレスとは、個人差があるものだと理解しておきましょう。
主なストレス反応 | 具体的な症状 |
---|---|
心理的な反応 | 不安、イライラ、落ち込みなど 集中力・判断力の低下なども含む |
身体的な反応 | 頭痛、便秘や下痢、不眠など |
行動的な反応 | 暴力、拒食や過食、飲酒など |
注意!ストレスが与える悪い影響とは
過度なストレスは、身体にも精神にも悪い影響を与えます。そのようなストレスは「キラーストレス」と呼ばれ、命に危険を及ぼすケースもあるので注意が必要です。
たとえば血圧が高くなり、脳や血管の病気になる可能性が考えられます。また脳内から分泌されるセロトニンが減少して、抑うつ状態になる場合もあるでしょう。
ひとつのストレスは小さくても、複数の要因が重なることで、キラーストレスになってしまいます。そのためストレスが溜まっているときは、休息を心がけてください。
実はメリットも?良いストレスと悪いストレスの違い
一般的にストレスとは、精神的に病んでしまう・イライラするなど、悪い面をイメージしがちです。しかし実際、ストレスが与える効果には、良い面もあります。
たとえば大勢の前でスピーチをしたり、大事な試合に出場したりすると、不安や緊張を感じるでしょう。これらの感情も、ストレスを受けている証拠です。
このとき脳内からは、アドレナリンやコルチゾールが分泌され、良いパフォーマンスをしやすくなります。つまりストレスを感じることは、自身の成長にもつながるというわけです。
もともとストレスとは、生命の危機に晒されたときに生じるもので、人間が生き抜くために必要なものでした。そのため、ストレスがなければいいとも言い切れません。
適度なストレスは体に悪いものですが、良いストレスがあることも覚えておきましょう。
【まとめ】自分が感じるストレスとは何かを知ろう
今回はストレスとは何なのかを、心理カウンセラーが簡単にまとめてみました。
心理学的にストレスとは、「心身に負荷がかかったときに生じる緊張状態」を意味しています。デメリットばかりをイメージしがちですが、メリットもあるのが特徴です。
しかしストレスの感じ方には個人差があり、命に関わる場合もあります。そのため、ストレスが溜まっている状態を維持するのはよくありません。
ストレスを発散・解消するためにも、まず自分がどんなことにストレスを感じているのかを探ってみましょう。そして強いストレスを感じるときは、心身ともに休めることを意識してください。
ストレスに関する参考文献
・心のケア
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