モンキーマインドとは、「注意が散漫して集中できない心の状態」を意味する用語です。マインドフルネス瞑想のときに生じることが多く、解消できないと悩む人もいます。
そこで今回は、モンキーマインドについて、わかりやすくまとめてみました。具体的な意味や、ラベリング・脱中心化などの解消法も、簡単に紹介しています。
モンキーマインドは、瞑想する人なら誰でも体験するものです。マインドフルな状態になるためにも、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。
モンキーマインドとは?意味を簡単に解説
そもそもモンキーマインド(the monkey mind)とは、仏教用語の「心猿」が由来だと言われています。「注意が散漫して集中できない心の状態」を意味する言葉です。
これは、猿が枝から枝へとジャンプして移動する様子に喩えられています。いろんなことが頭に浮かんできて、気が散ってしまうようなイメージです。
【モンキーマインドとは】
「注意が散漫して集中できない心の状態」のこと。猿が枝から枝へとジャンプして移動する様子に喩えられている。
モンキーマインドは、主にマインドフルネスの用語として使われています。同じ意味で「マインドワンダリング」などの単語もあるので、合わせてチェックしておくと良いでしょう。
マインドフルネスとモンキーマインドの関係
マインドフルネスは「今この瞬間」に意識を向けるというもので、夫婦や職場の人間関係を築くうえでも役立ちます。そしてマインドフルネスになる方法として、瞑想があります。
モンキーマインドは、このマインドフルネス瞑想中に生じやすいのが特徴です。たとえば呼吸に注意を向けようとすると、「いま何分経ったかな」など、さまざまな思考が浮かんでくるでしょう。
その結果、瞑想に集中できないという状態に陥ってしまう人が多くいます。そのためマインドフルネス瞑想では、モンキーマインドと向き合い、解消することが重要になります。
瞑想中に生じたモンキーマインドの解消法
モンキーマインドは、練習を重ねることで克服できると言われています。
ここでは代表的なモンキーマインドの克服法として、「ラベリング」「脱中心化」を紹介します。
ラベリング
ラベリングとは、頭に浮かんでくる思考や感情に、名前(ラベル)をつける方法です。名前をつけることによって、客観的な気づきにつながります。
たとえば呼吸に注意を向けているときに、「いま何分経ったかな」という思考が浮かんだら、それに「雑念」と名前をつけます。そして2回唱えたあと、呼吸に注意を戻します。
このような作業を繰り返すことによって、モンキーマインドを解消するという方法です。
雑念が浮かんでくる | 「雑念」「雑念」 と2回唱える |
手がかゆくなる | 「かゆみ」「かゆみ」 と2回唱える |
嫌な感情を思い出す | 「感情」「感情」 と2回唱える |
脱中心化
脱中心化とは、自己と思考を切り離すという考え方です。浮かんできた思考はそのままにして、「それを観察する自分がいる」とイメージします。
たとえば、小川を流れる葉っぱを想像してください。葉っぱの上には雑念が乗っており、それがゆっくり流れていく様子を、あなたが岸から観察しています。
このような練習を繰り返すと、「思考は思考であって自分を決めつけるものではない」「浮かんでもいずれは消える」など、思考をありのまま受け入れられるようになります。
モンキーマインドの意味・解消法まとめ
今回はモンキーマインドについて、わかりやすくまとめました。
モンキーマインドの意味は、以下のとおりです。仏教用語からきており、マインドフルネス瞑想をするときには、誰でも一度は体験します。
【モンキーマインドとは】
「注意が散漫して集中できない心の状態」のこと。猿が枝から枝へとジャンプして移動する様子に喩えられている。
またモンキーマインドの解消法としては、ラベリングや脱中心化などがあります。繰り返し練習することが大切なので、集中できないときは何度も試してみましょう。
モンキーマインドについて、理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
モンキーマインドの参考書籍
モンキーマインドに関する本として、「マインドフルネス入門講義」「脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]」などがあります。
「マインドフルネス入門講義」は、大谷彰教授が著者の本です。マインドフルネスの歴史的背景に触れながら、モンキーマインドの意味・解消法についても解説されていました。
「脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]」では、脳科学の視点からも解説されています。モンキーマインドの解消法として、「猿の乗った電車が通り過ぎていく」という例が紹介されていました。
気になる人はぜひ一度チェックしてみてください。
モンキーマインドの参考文献
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
※文章や画像を引用していただいても構いません。その際にはサイト名を明記のうえ、該当記事へ飛べるようにURLの設置をお願いいたします(詳しくは「引用・著作権について」をご確認ください)。