感受性が豊かで、刺激に敏感な特性を持っているHSP。人間関係の悩みも多く、HSPの苦労やあるあるを、非HSPの人にわかってもらえないことも多いでしょう。
そこで今回は、HSP特有のあるあるをまとめてみました。会話や人間関係の傾向について、仕事・学校編や恋愛編など、シーン別に解説しています。
HSPあるあるを知っておくと、自分や相手を理解するときに役立つはずです。HSPだと思ったら、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。
そもそもHSPとは?
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱しました。
「とても繊細な人」を意味する用語で、感受性が高く、刺激に敏感な特性を持っています。さまざまな場面で人よりも傷つきやすく、疲れやすいのが特徴です。
しかもこのHSPあるあるは、非HSPの人に、なかなか理解してもらえません。そのため一人で抱え込んでしまったり、泣いてしまったりする人もいます。
【HSPあるある】会話・人間関係・日常の傾向を解説
HSPの会話あるある:話すのが苦手で相手に合わせる
- 雑談ができない
- 自己表現は苦手
- 意思がはっきりしない
- 八方美人になりやすい
- 相手の感情がわかる
- 嘘をついているとすぐに気づく
- 相手の言動を深読みしすぎる
- 誘われると断れない
- 強く言われると否定できない
- 感情移入や共感をしすぎて疲れる
- 冗談を真に受けてしまう
- 話した後に不安になる
- 空気を読んで会話をする
- 嫌いな人でも無理して接する
HSPは相手の感情に気づきやすく、空気を読むことができます。そのため、何でも相手に合わせてしまい、自分の意見を言えないことが多くあります。
また深読みしすぎて冗談を真に受けたり、不安になったりしがちです。会話をするときも色々考えて、相手の顔色を伺うのは、HSPあるあるです。
また雑談や自己表現が苦手だったり、意思がないと思われたりすることもあります。特に相手から強く言われてしまうと、断ることはできません。
HSPの人間関係あるある:自分から積極的に関わらない
- 基本的に自分からは話しかけない
- できるだけ会話に参加したくない
- いきなり話しかけられると動揺する
- 雑談では何を話したらいいかわからない
- 言いたいことがあっても我慢する
- ノリについていけないことがある
- 人が多く集まる場所は苦手
- なるべる目立たないようにしている
- 学生時代も少数でいることが多かった
- 他人に影響されやすい
- 遊びや食事に誘われたら断れない
- 周りの会話が聞こえてしまう
人間関係でも、HSPはさまざまな刺激を受け取ってしまいます。そのため基本的に、自分から話すことは少なく、なるべく避けたいと思うかもしれません。
学生時代も、HSPは目立たないように行動していたと思います。誰かに話しかけられても動揺してしまったり、何を話したらいいのか、わからなくなったりするでしょう。
HSPの日常あるある:考えすぎて泣くこともある
- 心配性
- 完璧主義
- 優柔不断
- 涙もろい
- 痛みに敏感
- 断れない性格
- 自己肯定感が低い
- 他人を優先しがち
- 頭がパンクしやすい
- 自分のことは後回し
- 自己嫌悪になりやすい
- 人間関係で傷つきやすい
- 周りに振り回されやすい
- ペースを乱されると混乱する
- 落ち込みやすくて頻繁に泣く
- 一人で引きこもりたいと思う
- 「気にしすぎ」と言われる
HSPは人よりも多くのことを感じながら、物事を考えています。そのため優柔不断と言われたり、「気にしすぎ」と言われたりすることもあるでしょう。
また感受性が高く、状況に合わせて空気を読めるのが特徴です。自分のことを後回しにしがちなので、傷つきやすく、一人で泣くことも多いかもしれません。
これらのことが重なると、自己評価も低くなってしまうでしょう。実際に、自信がないと思っているHSPはたくさんいます。
【シーン別】HSPのあるあるを紹介
ではここから、HSPあるあるをシーン別に解説します。仕事・学校編や恋愛編などに分けて、簡単にまとめてみました。
会話や人間関係の傾向など、HSPあるあるの内容が当てはまるか、ぜひ一度チェックしてみてください。
【仕事・学校編】HSPのあるある
仕事や学校で苦労することが多い
- 完璧主義者で行動が遅い
- 細かいことばかり気になる
- マルチタスクは苦手
- 複雑に考えてしまう
- 忙しいと混乱しやすい
- 予定があると終わるまで落ち着かない
- トラブルが起こると激しく動揺する
- 小さなミスでも引きずりやすい
- 通勤の人混みも苦手
- 人に仕事をお願いできない
- 発言を求められると困る
HSPは、細かいことに気がつける(気づいてしまう)ので、こだわりすぎるところがあります。どうでもいいところにも意識が向くので、スピードは遅く、やることが溜まってしまいがちです。
また小さなミスでも動揺しやすく、ずっと引きずってしまいます。そのためHSPの人は、仕事や学校で苦労することも多いでしょう。
環境や周囲の人に敏感
- 機嫌の悪い人がいるとすぐわかる
- 上司(先生)の機嫌に左右されやすい
- 他人が怒られていると自分も萎縮する
- 周りから見られているような気がする
- 悪口を言われているように感じる
- 自分が我慢すればいいと思う
- 成績を他人と比較してしまう
- 部下(後輩)のことを怒れない
- 褒められるのが苦手
- オフィス(教室)が騒がしいと集中できない
- ペンの音やキーボードを叩く音に敏感
HSPは職場や学校だと、音や声がとにかく気になります。ほかにも窓の外やにおい、人の動きに反応してしまい、仕事や勉強に集中できないのもHSPあるあるです。
またHSPは、人間関係にも敏感で、機嫌の悪い人がいるとすぐにわかります。感受性が高く、他人が怒られていると、自分も萎縮してしまうのが特徴です。
気を遣いすぎて疲れる
- 頼まれたら何でも引き受けてしまう
- ご飯は一人でゆっくり食べたい
- 職場や学校に行きたくないと頻繁に思う
- トイレが唯一の避難場所
- 家に帰ると一気に疲労感を感じる
- 帰宅後は動けないことが多い
- 明日のことを考えて寝付けない
- 寝ても翌日に疲れが取れない
頼みごとをされたときや、食事や遊びに誘われたときも、HSPは基本的に断れません。相手に嫌われるのが不安で、何でも引き受けてしまいます。
またHSPは常に気を遣っているので、ストレスが溜まると、一人になれるトイレに避難しがちです。家に帰ると疲れがドッと出てしまい、動けなくなることもあります。
【恋愛編】HSPのあるある
基本的に恋愛に関しては奥手
- 文章を考えるのに時間がかかる
- 脳内でシミュレーションをする
- 既読や返信がないと心配になる
- 絵文字やスタンプがないと不安
- 送った文章を何度も見直す
- 相手のメッセージに一喜一憂しがち
- 連絡を止めるタイミングがわからない
- 直接話すときはオドオドしてしまう
- 一度気を許すと相手に依存しやすい
HSPの場合、あれこれ考えてしまうことが多く、すぐに行動ができません。そのためメッセージでやり取りするときも、基本的には奥手になりがちです。
特に直接会ったときは、会話で何を話したらいいのかわからず困ってしまうでしょう。しかし相手に気を許すと、依存しやすい側面もあります。
会話や行動を相手に合わせる
- とにかく顔色を伺ってしまう
- 自分の意見を言えない
- 自分が変ではないかと気になる
- 相手の気持ちや感情に敏感
- 相手の感情に振り回されてしまう
- 尽くしすぎて疲れてしまう
空気を読むのが上手いHSPは、恋愛だと相手に合わせる傾向にあります。パートナーの気持ち・感情に対しても敏感でしょう。
その一方で、相手に振り回されてしまうことも、HSPのあるあるです。その結果、家に帰って一人になった瞬間、疲れ切ってしまう人もいます。
一人で反省会をして泣くことも
- 1日の行動を振り返って後悔する
- 相手の言動を深読みしてしまう
- 自己嫌悪になって泣く
- 考えすぎて眠れなくなる
- 一人の方が楽だと思ってしまう
HSPは、1日の終わりに反省会をしがちです。「もっとこうすれば良かったかな」「嫌に思われていないかな」など、色々考え込んでしまいます。
そのため自己嫌悪になって泣いてしまったり、考えすぎて眠れなくなったりするでしょう。人によっては、一人の方が楽だと感じるかもしれません。
【日常生活編】HSPあるある
あらゆる刺激に敏感
- 騒音がとにかく苦手
- 小さな物音にも敏感
- 服のチクチク感が気になる
- 色んなにおいに気づく
- 照明が明るいと目がチカチカする
- カフェインの影響を受けやすい
- 天気や気圧によって体調が変化する
- 映画・ドラマ・漫画に感情移入する
- 悲しいシーンを見るとすぐに泣く
- 事件のニュースにイライラする
- テレビ速報が流れると動揺する
- ホラー系や怖い映像が苦手
- すぐにビックリする
日常生活には、HSPの負担になる刺激がいっぱいです。特にテレビをつけていると、さまざまな情報が流れてきて、泣いたり疲れてしまったりする人は多いでしょう。
なかには天気や気圧、工事の音など、自分でコントロールできないものもあります。ひどいときは、1日中ずっと横になってしまうのもHSPあるあるです。
【家庭編】HSPあるある
子どもや家族に対して敏感
- 過保護になりやすい
- 子どもの危険をすぐ察知できる
- 子どもの行動が予測できてしまう
- 夫(妻)が気づかないことにイライラする
- 夫(妻)に本音を言えず不満が溜まる
- 強く言ってしまったことを後悔しやすい
- ママ友や近所との人間関係に疲れる
- 一人の時間がないと疲れ切ってしまう
HSPが親になると、「あそこで転んだら頭をぶつける」「ここに置いたら食べてしまうかもしれない」など、子どもの危険をすぐに察知できるようになります。
その結果、子どもを守ろうとして過保護になりがちです。またパートナーがそれに気付かないと、イライラしたり、不満が溜まったりします。
家事ができないこともある
- あちこち気になって全部終わらない
- 予定がいっぱいだと混乱しやすい
- 何から手をつけたらいいかわからない
- つい寝過ごしてしまうことも多い
- 疲れて何もできない日もある
家事といっても、掃除・洗濯・買い物・ご飯の用意などさまざまです。やることがいっぱいだと、HSPの人は混乱しやすいでしょう。
「あれもこれもやらなきゃ」と、あちこち気になってしまい、すべてが中途半端になってしまうのもHSPあるあるです。また疲れすぎて、家事が一切できないという日もあります。
【SNS編】HSPあるある
あらゆる刺激を受けやすい
- Twitterなどの通知が気になる
- 情報量が多くてパンクする
- 投稿する内容を何度も書き直す
- コメントが来たら返事に悩む
- 誹謗中傷に動揺しやすい
SNSは情報量が多く、アンチや誹謗中傷などの言葉も溢れています。そのためHSPの人にとっては、刺激が強いと感じることもあるでしょう。
また投稿しようと思ったときは、何度も文章を書き直したり、結局投稿しなかったりします。コメントが来ても、返事をするまでに時間がかかるのは、HSPのあるあるです。
悪いことだけじゃない!HSPの特技あるある
- 優しく接することができる
- 思いやりを持てる
- 相手の気持ちに共感できる
- 1つのことに没頭できる
- あらゆる視点で考えられる
- 慎重でミスが少ない
- 些細な変化にも気がつく
- 先読みして行動できる
- 困っている人にすぐ気づく
- 特定の能力が高いことも
HSPのあるあるを調べると、マイナスの面ばかりが目立ってしまうかもしれません。しかし一方で、HSPの特性を、長所として活かすこともできます。
たとえば相手の悩みを察して、優しく接してあげられるのも、HSPの特技あるあるです。また細部までこだわれるので、仕事で高く評価されている人も多くいます。
「刺激に敏感」ということは、「人よりも多くのことに気がつける」ということです。HSP提唱者のアーロン博士が言うように、これはHSPの生まれ持った才能でもあります。
HSPあるあるの特性と上手に向き合う方法
こまめな休息 | 一人になる時間を作る 睡眠をしっかりとる リフレッシュの時間を作る 好きな音楽を聴く 落ち着かせるために深呼吸をする 考えすぎてしまうときは瞑想をする |
刺激の制限 | イヤホンや耳栓を使う 眼鏡やサングラスをかける 人の多い場所を避ける 相手との間に物を置く 着心地の良い服を選ぶ 好きなアロマや香水を選ぶ 休むときはテレビをつけない |
自分の心構え | 他人も自分も大切にする 苦手な人からは距離を取る 無理に話そうとしない 悩んだらとりあえずやってみる スケジュール管理をする 自分の考え方のクセを知る 発言する内容を事前に考えておく 予測できることは準備しておく スマホの通知をOFFにする |
HSPは病気ではなく気質なので、治療して治るものではありません。そのため、HSPの特性と向き合うことが重要になります。
まずはこまめな休息を取り、なるべくストレスを溜めないようにしましょう。その際には、刺激の遮断を心がけることでゆっくり休めます。
また相手に優しくするように、自分のことも大切にしてみてください。スケジュールを立てたり、前もって準備したりすることで、動揺するリスクも減らせますよ。
HSPのあるあるを理解すれば、その対策もできるので、しっかり確認しておきましょう。
HSPの会話・人間関係のあるあるまとめ
今回はHSPのあるあるについて、会話・人間関係・日常の傾向をシーン別にまとめてみました。
HSPは感受性が豊かで、刺激に敏感な特性をもっています。そのためHSPのあるあるを、他人にわかってもらえないこともあるでしょう。
しかしHSPのあるあるは、長所として活かすこともできます。対処法を理解すれば、優しくて思いやりのある、素敵な人になれるはずです。
会話や人間関係のHSPあるあるを知っておくと、自分や相手を理解するときに役立つので、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
HSPあるあるの参考書籍
HSPあるあるに関する書籍として、「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本などがあります。
この本は、HSPの武田友紀さんが著者で、HSPの特性やあるあるが丁寧にまとめられています。体験談も紹介されており、共感できる内容が多いでしょう。
HSP本のなかでも人気があるので、ぜひ一度チェックしてみてください。