ゴーレム効果とは「他者からの期待や評価が低いと、悪い成果を出しやすいこと」を意味する心理学用語です。主に学校や職場で見られる現象で、ネガティブな影響として知られています。
ただし、ゴーレム効果の実験に対する批判もあります。また関連する用語として、ピグマリオン効果が紹介されていることも多いので、一緒に覚えておくと良いでしょう。
そこで今回は、ゴーレム効果とは何かをわかりやすくまとめてみました。具体例・名前の由来・対策方法なども簡単に解説しています。
ゴーレム効果とピグマリオン効果との違いにも触れているので、正しく理解するためにも、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。
ゴーレム効果とは?心理学の意味を簡単に解説
ゴーレム効果とは、アメリカの教育心理学者である、ロバート・ローゼンタールらが提唱しました。ユダヤ神話に出てくる泥人形(ゴーレム)が、名前の由来だと言われています。
これは「他者からの期待や評価が低いと、悪い成果を出しやすい」という現象です。ネガティブな印象を持つことで、その通りになってしまうことを表しています。
【ゴーレム効果とは】
他者からの期待や評価が低いと、悪い成果を出しやすくなる現象。
ゴーレム効果では、教師と生徒、上司と部下のような関係が当てはまります。実験は教室で実施されたものが多く、生徒のパフォーマンスへの影響を調査するという内容でした。
学校や職場で見られるゴーレム効果の具体例と対策
たとえば教師が、「1組の生徒は頭が悪い」と思っているとします。その結果、ほかのクラスと比較して、1組の成績だけが下がってしまうようなイメージです。
また職場でも、ゴーレム効果が生じる可能性はあります。上司が部下のことを、仕事ができないやつだと思うことで、部下のパフォーマンスが下がってしまうかもしれません。
そのためゴーレム効果の対策としては、教える側がネガティブな偏見を持つことなく、相手に接することが需要だといえるでしょう。
ゴーレム効果とは反対の「ピグマリオン効果」
ゴーレム効果とは逆の意味で、他者からの期待が高いと良い成果を出しやすい現象もあります。これを心理学では「ピグマリオン効果」といいます。
たとえば習い事をしている子どもに、親が「あなたならできるよ」と励ますとします。すると子どもは、期待に応えようと練習を頑張ったり、何度も挑戦したりするでしょう。
心理学の本を読んでも、ゴーレム効果はピグマリオン効果の対義語として、紹介されている場合がほどんどです。意味を覚える際には、一緒にチェックしておくことをおすすめします。
ゴーレム効果の心理学実験に対する批判
実際のところ、ゴーレム効果については批判もあります。
よくあるのは、ゴーレム効果の倫理的な問題です。実験後も対象者のパフォーマンスが低下したままだと、その後の人生に影響を与えてしまう可能性も考えられるでしょう。
また倫理的な問題に関連して、ゴーレム効果の研究自体が少ない点も挙げられます。ゴーレム効果を説明する際には、ピグマリオン効果の研究の相関データが用いられる場合もあるそうです。
そのためゴーレム効果については、あくまでも参考程度にしておくのが良いと思います。
ゴーレム効果の意味・具体例・ピグマリオン効果との違いまとめ
今回は心理学のゴーレム効果について、簡単にまとめました。
ゴーレム効果とは、ネガティブな印象を持つことで、その通りになってしまうことを意味します。ピグマリオン効果の対義語として、紹介されていることが多いでしょう。
【ゴーレム効果とは】
他者からの期待や評価が低いと、悪い成果を出しやすくなる現象。
ゴーレム効果を説明する際には、学校や職場の具体例がわかりやすいと思います。ただし実験に対する批判もあるので、参考程度にしておくことをおすすめします。
ゴーレム効果の理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。
※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。
※文章や画像を引用していただいても構いません。その際にはサイト名を明記のうえ、該当記事へ飛べるようにURLの設置をお願いいたします(詳しくは「引用・著作権について」をご確認ください)。