ハロー効果とは?心理学の意味・具体例・ピグマリオン効果との違いをわかりやすく解説

ハロー効果とは

ハロー効果とは「相手の特徴に引きづられて、見方や評価が変わってしまうこと」を表します。実際以上に良く見えるという意味で、使われることが多い心理学用語です。

日常で見られる例も多く、恋愛やビジネスなど、あらゆる場面でハロー効果は活用されています。しかし状況によって、逆効果になってしまう場合もあるので注意が必要です。

そこで今回は、ハロー効果についてわかりやすくまとめてみました。心理学の意味や具体例、問題点と対策方法なども、簡単に解説しています。

またハロー効果とピグマリオン効果の違いにも触れているので、正しく理解するためにも、ぜひここで紹介する内容を参考にしてみてください。

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ハロー効果とは?心理学の意味をわかりやすく解説

そもそもハロー効果とは、心理学における「認知バイアス」の一種です。難しく感じる場合、その人が持つ先入観のことだと思ってもらえれば問題ありません。

ハロー効果は「相手の特徴に引きづられて、見方や評価が変わってしまう現象」を意味します。地位・学歴・家柄・財産・見た目などによって、実際以上に良く見えるということです。

【ハロー効果(後光効果・光背効果)とは】
相手の特徴に引きづられて、見方や評価が変わってしまう現象のこと。認知バイアスの一種で、実際以上に良く見えたり、逆に悪く見えたりする。

ちなみにハローとは、神様や仏様の後ろに描かれる光(後光・光背)のことで、英語では「halo」と書きます。そのためハロー効果は、後光効果・光背効果とも呼ばれています。

またハロー効果という言葉をはじめて使ったのは、心理学者のソーンダイクで、「心理的評価における一定のエラー(日本語訳)」という文献に書かれています。

日常生活で見られるハロー効果の具体例

ハロー効果は、日常生活でもよく見られる現象です。ここではわかりやすく説明できるように、身近な例をまとてみました。

たとえばCMで、有名人が愛用している商品が紹介されていると、なんとなく良さそうに感じるでしょう。好きな俳優がおすすめしていれば、より価値のある商品に見えるはずです。

また広告で「SNSで大人気」「テレビで紹介されました」などと書かれているのも、ハロー効果を意識したマーケティング戦略だといえます。

ほかにも地味な見た目の人が「実は社長だった」「帰国子女で英語がペラペラだった」などとわかれば、印象がグッと変わると思います。

恋愛の場面で見られるハロー効果の具体例

ハロー効果は、相手の印象に大きな影響を与えるので、恋愛においても重要です。

特に気になる人と会うときは、見た目や服装にこだわると良いでしょう。ハロー効果をうまく活用すれば、相手に良い印象を与えることもできます。

ただし一目惚れの場合は、見た目がタイプだからこそ、素敵な人に見えているのかもしれません。「良い人だと思ったのに全然違った」と後悔しないように注意が必要です。

恋愛におけるハロー効果の具体例
  • 可愛いし性格も良さそうだ
  • イケメンだし頼りになりそうだ
  • 清潔感があってしっかりしてそうだ
  • おしゃれで仕事もできそうだなど

ちなみに付き合っている状態でも、ハロー効果の影響はあります。たとえば彼氏が医師・彼女がモデルなどの情報があると、その人自身のこともすごく見えてしまうと思います。

ビジネスの場面で見られるハロー効果の具体例

ビジネスの場合、採用面接を想像すると、ハロー効果をイメージしやすいと思います。身だしなみが整っている人の方が、真面目で誠実な印象を与えるため、人事の評価も高いでしょう。

実際に外見的魅力のある人は、面接で採用されやすいことが実験で証明されています。また就職した後、給料が高くなるという研究結果もあるそうです。

ほかにも「高級時計を身につけているので優秀そう」「部長なので信頼できそう」などと感じたときは、ハロー効果が働いていると考えられます。

ハロー効果と「ピグマリオン効果」の違い

ハロー効果と似たような心理学用語として、ピグマリオン効果があります。これは「期待された人がその期待に応えて成果を出すこと」を意味する心理学用語です。

ピグマリオン効果は、期待されることによって行動が変わります。一方でハロー効果では、特徴に引きづられて見方や評価が変わります。

比較してみると、ハロー効果とピグマリオン効果の違いはいくつかあります。たとえばピグマリオン効果には「期待」が必要で、ハロー効果には「特徴に関する情報」が必要です。

またピグマリオン効果は、教師と子ども・上司と部下のような関係でよく見られます。しかしハロー効果は、そのような上下関係に左右されません。

ハロー効果とピグマリオン効果は混同しやすいので、間違えないように注意しましょう。

ハロー効果が逆の意味で使われることもある

ハロー効果の具体例では、実際以上に良く見えてしまうという意味で使われるケースがほとんどです。しかしハロー効果が、反対に働いてしまう場合もあります。

たとえば相手がギャンブル好きだと知って、恋愛対象から外れてしまうようなイメージです。ビジネスにおいても、仕事ができなさそうなどの悪い印象を与えるかもしれません。

ほかにもハロー効果の逆を意味することわざで「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」があります。これは一度嫌いになると、それに関連するすべてのものが憎くなるというものです。

ハロー効果の意味を区別するために、実際以上に良く見えることを「ポジティブ・ハロー効果」、実際よりも悪く見えてしまうことを「ネガティブ・ハロー効果」と呼ぶこともあります。

ハロー効果の問題点と対策方法

ハロー効果の問題点は、先入観によって正しく判断できなくなることでしょう。無意識のうちに過大評価や過小評価をしてしまうので、あとで後悔することにもつながります。

これを対策するためには、まず情報を鵜呑みにしないことが重要です。相手の話をしっかり聞き、周りの人からも情報を集めることで、視野が狭くなる状況を防ぐことができます。

またビジネスの場合、明確な評価基準を設定する・評価者の訓練を受けるという方法もあります。ハロー効果の問題点を頭に入れておき、客観的に判断することを心がけてください。

ハロー効果の意味・具体例・ピグマリオン効果との違いまとめ

今回は心理学のハロー効果について、わかりやすくまとめました。

ハロー効果の意味は、以下のとおりです。実際以上に良く見える現象を表す心理学用語として、使われる場合がほとんどですが、反対に働いてしまうこともあります。

【ハロー効果(後光効果・光背効果)とは】
相手の特徴に引きづられて、見方や評価が変わってしまう現象のこと。認知バイアスの一種で、実際以上に良く見えたり、逆に悪く見えたりする。

身近な例も多く、恋愛やビジネスなど、さまざまな場面でハロー効果は活用されています。またピグマリオン効果との違いを混同しやすいので、あわせて覚えておくと良いでしょう。

ハロー効果の理解を深めるためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

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