社会的学習理論とは?心理学の意味・具体例・提唱者をわかりやすく解説

社会的学習理論の意味とは

社会的学習理論とは、「人間の行動が、社会との関わりを通して生起・変容すること」を包括的に説明した理論です。心理学においては、幅広い意味で使われています。

この社会的学習理論は、モデリングや自己効力感などの概念が中心にあります。それぞれの特徴を確認しておくと、理解するうえで役立つでしょう。

そこで今回は、心理学の社会的学習理論とは何かを、わかりやすくまとめてみました。提唱者や身近な例にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次-クリックで該当箇所に移動-

社会的学習理論とは?意味をわかりやすく解説

そもそも社会的学習理論とは、「社会的な行動を学習すること」や「社会のなかで学習すること」に関する心理学用語として使われていました。

しかし近年では内容を発展させ、「人間の行動が、社会との関わりを通して生起・変容すること」を包括的に説いた理論となっています。そのため教育の分野でも、活用しようとする動きがあります。

【社会的学習理論とは】
「人間の行動が、社会との関わりを通して生起・変容すること」を包括的に説明した理論。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した。

人間は動物と違い、他人を模倣することで、社会的学習が成り立ちます。そのため、自分が体験していないことも効率よく学習でき、危険に晒されるリスクも避けることができます。

社会的学習理論の提唱者は誰?

社会的学習という用語はミラー、ドラードなどの心理学者が、それぞれ異なる意味で用いてきました。

そして理論として確立したのがカナダ人の心理学者、アルバート・バンデューラです。バンデューラは研究を進め、モデリングの考え方を中心に、人間の行動学習の仕組みを説きました。

そのため一般的に、社会的学習理論の提唱者は、バンデューラだと考えて良いでしょう。

社会的学習の身近な例とは?

社会的学習の様子は、日常生活でもよく見られます。

たとえば子どもの挨拶や口調は、見ているテレビの影響を受けることがあります。これは、キャラクターの行動をモデリングした結果だといえるでしょう。

また交通安全教室で、スタントマンが車に轢かれるシーンをわざわざ見せることもあります。これにより子どもは、赤信号で渡るのは危険だと学習します。

バンデューラの社会的学習理論を簡単に解説

バンデューラの社会的学習理論には、中心になっている考え方がいくつかあります。

それぞれの特徴を簡単にまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

観察学習(モデリング)

観察学習(モデリング)とは、「他人の行動を観察・模倣するだけで学習が成立すること」を意味します。社会的学習理論の中心になっている概念です。

バンデューラは観察学習の構造について、4つの下位過程があることを説明しています。具体的には、注意過程・保持過程・運動再生過程・動機づけ過程です。

注意過程モデルの行動に注意を向ける
保持過程記憶の中に保持する(習得)
運動再生過程行動に変換する
動機づけ過程実際に遂行するかを決定する

参考記事:観察学習(モデリング)とは?

自己効力感(セルフ・エフィカシー)

モデリングの研究を進めると、バンデューラは「人間の認知機能」を重視するようになります。そこで注目したのが、自己効力感(セルフ・エフィカシー)という概念です。

これは簡単に表すと「自分自身に関する判断・評価」です。自己効力感が高い人は「自分ならできる」と考え、低い人は「自分にはできない」と考えます。

そのため自己効力感は、社会的学習理論の動機づけの部分に大きく関わってきます。

相互決定主義

相互決定主義とは、人間の行動について「認知・環境・行動の3要因が互いに影響している」という考えです。

従来の行動主義は、「外部環境や個人的要因が影響して、一方的に行動を引き起こす」というものでした。しかしバンデューラの社会的学習理論では、それぞれに相互作用があると説明しています。

バンデューラの社会的学習理論まとめ

今回はバンデューラの社会的学習理論について、意味をわかりやすく解説しました。

社会的学習理論の内容は、以下のとおりです。近年では「人間が行動する仕組み」を包括的に説明しようとするものになっています。

【社会的学習理論とは】
「人間の行動が、社会との関わりを通して生起・変容すること」を包括的に説明した理論。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した。

また社会的学習理論では、モデリングやセルフ・エフィカシーの考えが重要になります。正しく理解するためにも、ぜひここで紹介した内容を参考にしてみてください。

社会的学習理論の参考書籍

社会的学習理論に関する書籍として、「新装版 社会的学習理論の新展開」などがあります。

この本では、バンデューラの社会的学習理論がわかりやすくまとめられています。またモデリング、セルフ・エフィカシー、相互決定主義の考え方についても解説されていました。

バンデューラの心理学を学びたい人は、ぜひ読んでみてください。

社会的学習理論の参考文献

社会的学習理論から社会的認知理論へ

社会的学習理論の四機能図式

幼児の攻撃行動と向社会的行動のモデリングにおよぼす母子関係の影響

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

※文章や画像を引用していただいても構いません。その際にはサイト名を明記のうえ、当サイトへ飛べるようにURLの設置をお願いいたします。

目次-クリックで該当箇所に移動-