自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは?意味・具体例・高める方法を解説

自己効力感(セルフ・エフィカシー)の意味

自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは、「自分ならうまくできる」という信念や確信を意味する心理学用語です。

自己効力感が高い人は「自分ならできる」と考え、低い人は「自分にはできない」と考えます。

そんな自己効力感について、意味・具体例などを簡単にまとめました。自己効力感を高める方法にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次-クリックで該当箇所に移動-

自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは?意味をわかりやすく解説

そもそも自己効力感とは、カナダ人の心理学者、アルバート・バンデューラが提唱した概念です。セルフ・エフィカシー(self efficacy)という言葉を訳した心理学用語になります。

これは簡単に説明すると、自分自身に関する判断・評価のことです。自己効力感が高い人は「自分ならできる」と考え、低い人は「自分にはできない」と考えます。

【自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは】
「自分ならうまくできる」という信念や確信のこと。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念。

ちなみにセルフ・エフィカシーは、「自信」「自己確信」「自己可能感」などと訳される場合もありますが、ここでは「自己効力感」で統一しています。

自己効力感を生み出す4つの要因

バンデューラは自己効力感を生み出すことについて、4つの要因があると考えています。

具体的には、「遂行行動の達成」「代理的経験」「言語的説得」「情動的喚起」です。バンデューラは、これらの要因をうまく組み合わせることで、自己効力感が高まるとしています。

遂行行動の達成自ら行動して達成した
という体験をする
代理的経験他人の行動を見て
代理的に体験する
言語的説得自己暗示や他人から
説得してもらう
情動的喚起
(生理学的状態)
生理的症状の
判断手掛かりを得る

自己効力感を高める方法については、後ほど解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

自己効力感(セルフ・エフィカシー)の具体例

自己効力感は、看護やリハビリを例にするのが良いでしょう。このような臨床の現場では、「自然治癒力」や「自己回復力」がセルフ・エフィカシーに相当します。

たとえば、心臓病のリハビリテーションです。心臓発作からの回復過程について、自己効力感が高いと、回復が早くなるという実験があります。

またタバコの吸いすぎによるニコチン中毒の患者は、自己効力感がないと、禁煙後も再発する可能性が高いという研究結果もあります。

自己効力感を簡単に測定する方法

自己効力感を測定する尺度については、いくつかあります。

具体的には「GSES(一般性セルフ・エフィカシー尺度)」や、主観的な感覚に焦点を当てた「主観的な感覚としての人格特性的自己効力感尺度(SMSGSE)」などです。

また「特性的自己効力感尺度」では、以下で自己効力感に関する質問事項も確認できます。気になる人は、内容をチェックしてみると良いでしょう。

自己効力感(セルフ・エフィカシー)を高める方法とは?

先ほど説明したとおり、バンデューラは自己効力感を高める方法について、4つの要因をうまく組み合わせることが必要だとしています。

たとえば「聴衆の前でスピーチをすること」を例に考えてみてください。実際に話してみて、成功体験を積み重ねれば、自己効力感も高まるでしょう。

また他人の行動を観察したり、自分ならできると自己暗示したりしても、自己効力感を高める効果があると言われています。

遂行行動の達成スピーチを成功させる
達成感を味わう
代理的経験他人が話している姿を見て
自分もできそうだと思う
言語的説得自分ならできると思い込む
先輩から鼓舞してもらう
情動的喚起
(生理学的状態)
落ち着いて話せた
緊張しても手が震えない

バンデューラの自己効力感(セルフ・エフィカシー)まとめ

今回はバンデューラの自己効力感について、分かりやすく解説しました。

自己効力感の意味は、以下のとおりです。セルフ・エフィカシー(self efficacy)という言葉を訳した心理学用語になります。

【自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは】
「自分ならうまくできる」という信念や確信のこと。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念。

自己効力感には情報源が4つあり、それらの要因をうまく組み合わせることで、高めることもできます。そのため、看護やリハビリの場面でも役立つのが特徴です。

自己効力感について、理解を深めるためにも、ぜひここで解説した内容を参考にしてみてください。

関連記事:社会的学習理論とは?

関連記事:観察学習(モデリング)とは?

自己効力感の参考書籍

自己効力感に関する書籍として、「新装版 社会的学習理論の新展開」などがあります。

この本では、バンデューラの社会的学習理論がまとめられています。そのなかで自己効力感についても、具体的に解説されていました。

バンデューラの心理学を学びたい人は、ぜひ読んでみてください。

自己効力感の参考文献

自己効力感

特性的自己効力感尺度の検討

自己効力感研究の現状と今後の可能性

主観的な感覚としての人格特性的自己効力感尺度(SMSGSE)の開発

一般性セルフ・エフィカシー尺度の妥当性の検討

看護婦・看護学生のGSES得点と臨床経験年数との関連

※参考書籍や参考文献をもとに、筆者の見解を踏まえて内容をまとめております。

※文章や画像を引用していただいても構いません。その際にはサイト名を明記のうえ、該当記事へ飛べるようにURLの設置をお願いいたします(詳しくは「引用・著作権について」をご確認ください)。

目次-クリックで該当箇所に移動-